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血液クレンジングは有効性・安全性が承認されていない、ステマは違法?

血液クレンジングは有効性・安全性が承認されていない、ステマは違法?時事
血液クレンジングは有効性・安全性が承認されていない、ステマは違法?
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エセ科学として絶賛炎上中の血液クレンジング。
血液オゾン療法とも呼ばれ、患者から採取した血液にオゾンを混入させて体内に戻す。

もともと空気中にはごく微量のオゾンが含まれています。
ごく微量であれば人体に影響はないといわれていますが、オゾン濃度が一定量以上になると人体には有害です。

人工的に体内にオゾンを取り入れると健康被害を受ける可能性があります。

血液クレンジングのトリック

血液クレンジングの有効性・安全性について厚生労働省は薬事承認された製品は無いとしています。

では、なぜみんなだまされるのでしょうか?

その秘密は血液の色。

血液クレンジングでは、採決をすると赤黒い血が出てきます。
その赤黒い血にオゾンを添加すると鮮やかな赤色に変色します。

そして、この赤く変色した血液を再び体内に注入します。

この、採決と変色、体内還元の様子を患者に見せ、

  • 赤黒い血: 不健康
  • 鮮やかな赤い血: 健康

だと患者に思わせることで、血をクレンジングした(血液をきれいにした)ので身体にいいに違いないと患者に認識させるのです。

しかし、血液の色が黒いのは正常なことで、健康とは関係ありません。

動脈血は赤くて、静脈血は黒い

動脈血は赤くて、静脈血は黒いのは当たり前のことです。

血管には動脈と静脈の2種類あるというのは誰でもご存知だと思います。

  • 動脈: 心臓から送り出された血液が流れる血管
  • 静脈: 心臓へ戻る血液が流れる血管

動脈を流れる血液のことを動脈血、静脈を流れる血液のことを静脈血と呼びます。

動脈血は赤い

心臓から送り出される血液は鮮やかな赤色です。
血液の役割は体中の細胞へ酸素を届けること。
心臓で酸素を取り込んだ血液は赤いです。
そのため、動脈血は赤いです。

酸素自体が赤色をしているわけではなく、ヘモグロビンが酸素と結合すると赤くなります。
「銀色」の鉄が錆びると「赤褐色」に変色するのと同じ原理です。
「錆びる」は科学的には酸化といいます、酸化というのは物質と酸素が結びつくこと。

静脈血は黒い

体中に酸素を供給すると、血液から細胞に酸素が引き渡されます。
つまり、血液の方からは酸素が失われます。

すると、血液は黒っぽく変色します。
そのため、静脈中を流れる血液は黒っぽい色をしています。

血液の役目は身体の隅々まで酸素と栄養を送り届けること。
酸素を運び終わった血液が心臓に戻ってくるまでの間、黒い色になるのは普通のことです。

これらのことを知らないと、目の前で黒い血が赤くなるオゾン添加作業が魔法のように見えてしまいます。
ただの科学を使った手品みたいなものなので、健康や病気治療とは関係ありません。
むしろ、オゾンは人体に有害なので健康を損なう可能性があります。

衆院厚生労働委員会でも取り上げられる

立憲民主党・尾辻かな子氏と厚労省とのやり取り

厚労省
「一定の医療機関に広がっていると言われているが、その効果やリスクについて厚生労働省としては現時点で把握できていない。今、関係学会と連携しながら情報収集をしているところだ」

「医療保険の適用については、使用する医療機器等において薬事承認を受けた上で、治療と疾病の関係が明らかであること、治療の有効性・安全性などが確立しているかという点について中医協(中央社会保険医療協議会)でご議論いただいた上で、保険適用している」

「血液クレンジング療法についてはこうした手順が踏まれていないので、保険適用されていない」

尾辻
「『オゾンは有毒ガスであり、特定の治療、補助治療、または予防治療において、有用な医療用とは知られていない』とはっきりとFDAでは書かれている。日本で医療用オゾンは承認されているのか? こういう目的で使っていいのか?」

厚労省
「FDAでもオゾン発生装置は、器具の殺菌に使われる製品が承認されているということであり、人体に作用させるオゾン療法として承認されているものはない。日本も、医薬品や医療機器として同じように有効性・安全性を確認されて薬事承認された製品だけが販売することが認められているが、そうしたものはない」

尾辻
「自由診療の中で承認を受けていないものが、医療として血液の中に混ぜ込まれて、また体内に入れるということがなされている。それについては何ら規制も注意も今のところないのか?」

厚労省
「医師の個々の判断に基づき、未承認の医薬品や医療機器を使用することについては、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制の対象外なので、薬機法で規制を行うことは困難です」

尾辻
「FDAのように『オゾンは特定の治療、補助治療、予防治療において有用な医療用途は知られていない』と厚労省は書くべきだと思う。もしくは紹介すべきだと思う」

厚労省
「FDAの書きぶりもしっかりと確認し、それを踏まえてどういうことができるのか考えてみたい」

血液クレンジング(血液オゾン療法)については、厚生労働省で認可されていません。
安全性や治療効果は保障されていません。

むしろ人体に悪影響を及ぼす恐れがあります。

しかし、それらについて取り締まることは現状ではできないようです。

血液クレンジングにより死亡事故などが起これば、当然ながら過失致死などの罪に問われる可能性はあります。
しかし、血液クレンジングという手法そのものを取り締まることはできません。

この辺りは法律で規制を厳しくしてしまうと弊害も出てきます。

血液クレンジングとは別件で、海外では効果も安全性も認められているが日本国内では厚労省の認可作業が終わっていない治療方法が出てきたときに、「保険適用外でもいいから最新の治療を受けたい」という人たちを見殺しにする結果になってしまいます。

そのため、法規制には慎重にならざるを得ません。

ステマは違法?

尾辻
「宣伝とうたわずに宣伝する手法もかなり広がっている。今回、金銭の授受があったかはわからないが、こういった宣伝かどうかわからずに、『こういった治療を受けてきました』『体がポカポカして元気になりました』というステルスマーケティングの手法は医療広告ガイドラインで取り締まれるものなのか?」

厚労省
「広告内容が与える内容と実際の治療内容に著しく相違があって、誤認を与える誇大広告に当たるものは禁止です」

「例えば、標準治療があるにも関わらず、がんに対する療法と称してその治療方法が唯一であるかのように示すのは患者の適切な治療機会を奪う広告になると考えられる。必要な手続きを踏んだ上で自治体と連携し、行政指導等の必要があれば対応を行なっていきたい」

「著名人の写真などの活用については、ガイドラインにおいて、著名人との関連性を強調するなど患者らに対して、他の医療機関に対して著しく優れていると誤認を与える可能性のある表現は患者等を不当に誘引する恐れがあるから『比較優良広告』として禁止しています」

「医療広告ガイドラインとしては、規制の対象となる広告を、『誘引性(特定の治療や医療機関に誘い込む)』『特定性(医療機関や医師を特定できる)』という要件を定め、その要件に該当する場合を広告として規制している」

「個人の体験談のようなものについても、ガイドラインで、医療機関からの依頼に基づく体験談であること、あるいは医療機関から金銭等の謝礼を受けている、またはその約束がある場合には、具体に個別の医療機関への受診を促すものになるので、規制の対象としている」

肝炎、HIV、インフルエンザウイルスの除去効果やがん、悪性リンパ腫、白血病に効果があるなどとうたっているクリニックもあるようです。

これらの効果については科学的な根拠に乏しく眉唾物です。

広告に嘘を書くことは違法です。

そして、医療分野においてステマ(ステルスマーケティング)は禁止されているようです。
厚生労働省の「医療広告ガイドライン」で規制されているようで、法律よりは1つ下のレベル。

「有名人との関連を強調することで患者を特定の治療法に誘導する」
これにより、患者が正しい治療を受ける機会を奪うという点が問題になります。

医療分野でこれが起こると人命に関わってきます。

飲食関係で芸能人が「これおいしいよ」とインスタに上げるくらいなら別にいいんですけどね。
裏でお金をもらってたとしても。

被害の実態は?

尾辻
「(規制の)実効性が問われているのではないかと思う。科学的な根拠がなく侵襲性が高い行為をクリニックで行なっていて、一般の方々、患者さんはそれを信じてしまうということが現実起こっていることは受け止めていただきたい。対策を考えていただきたい」

「実態把握や、実効性のある規制。そして、啓発をしっかりやっていただきたい」

厚労省
「2018年度までの集計結果で医療広告規制違反として罰則が適用になった事案はありません。血液クレンジングに関する事案は確認できていない」

「ご指摘のような課題がある一方、自由診療という制度のもとであるし、またネット空間はまさに自由に展開されている」

「自治体における規制が的確に行われ、また関係学会とも連携し、情報や認識を共有しながら医療広告規制の実効性を図る中で、患者の皆さんが正しい情報に基づいて選択し、かつ安全に実行できる担保を図りたい」

医療ステマは禁止されているようですが、現実問題として実態の把握や取り締まりはできていないようです。
そのため、消費者側が正しい知識を持ち自己防衛するしかないのかもしれません。

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