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中国・北京市で肺ペスト(黒死病)が発生、肺ペストはペストの中でも致死率と感染力が高い

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ペストマスク
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中国で肺ペスト患者が確認される

中国・北京市の病院で肺ペストに罹患した患者が発見された。

患者は2名おり、2人とも中国北部の内モンゴル自治区の出身。
現在は北京市内の病院で治療を受けている。

ペストには以下の3種類がある

  • 腺ペスト
  • 敗血症型ペスト
  • 肺ペスト

肺ペストはこの3つの中で最も凶悪。
発生率こそ稀なものの、感染力や致死率の高さで知られており、発症後5時間で死亡するケースもある。

肺ペストとは?

ペストは、腸内細菌科に属する通性嫌気性のグラム陰性桿菌Yersinia pestis に起因する全身性の侵襲性感染症で、ノミやエアロゾルを介して伝播する。感染ルートや臨床像によって腺ペスト、肺ペスト、および敗血症型ペストに分けられる。

臨床症状
1 )腺ペスト
腺ペストはヒトペストの80~90%を占め、ペスト菌含有ノミの咬傷や、稀に、感染したヒトあるいは動物への接触により、傷口や粘膜から感染する。侵入 部位にほとんど変化を起こすことなく、近くの局所リンパ節に伝播する。リンパ節は壊死、膿瘍を形成し、クルミないしアヒルの卵大に腫大する。その後、リンパ流、血流を介して脾臓、肝臓、骨髄を経て、心臓、肺臓など全身に伝播して敗血症を起こす。
臨床症状としては、通例3~7日の潜伏期の後、40℃前後の突然の発熱に見舞われ、頭痛、悪寒、倦怠感、不快感、食欲不振、嘔吐、筋肉痛、疲労衰弱や精神混濁などの強い全身性の症状が現れる。通例、発症後3~4日経過後に敗血症を起こし、その後2~3日以内に死亡する。なお、稀に、ノミの刺咬部位の皮膚、または眼に化膿性潰瘍や出血性炎症を形成する場合がある。 その場合は特に皮膚ペスト、眼ペストと呼ぶこともある。
2 )敗血症型ペスト
ヒトペスト全体の約10%を占め、局所症状がないまま全身に伝播して敗血症を引き起こす。臨床症状としては急激なショック症状、および昏睡、手足の壊死、紫斑などが現れ、その後、通例2~3日以内に死亡する。
3 )肺ペスト
非常に稀な事例ではあるが、最も危険なタイプである。腺ペスト末期や敗血症型ペストの経過中に肺に菌が侵入して肺炎を続発し、肺胞が壊れて、痰やペスト菌エアロゾルを排出するようになると、この患者が感染源になってヒトからヒトへと素早く伝播する肺ペストが発症する。潜伏期間は通例2~3日であるが、最短12~15時間という報告例もある。発病後12~24時間(発病後5時間の例も記載あり)で死亡すると言われている。臨床症状としては、強烈な頭痛、嘔吐、39~41℃の発熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示す。

NIID 国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/514-plague.html

ペストには腺ペスト・敗血症型ペスト・肺ペストの3種類がある。

腺ペストが80~90%、敗血症型ペストが10%を占めている。
ということは肺ペストの割合は1%以下?

通常、腺ペストはペスト菌を持つノミに咬まれることによって感染する。
人以外の動物にも感染するので、ノミがネズミに取りつき感染、ペスト菌を持つネズミとノミが繁殖、感染エリアが拡大する。
ペスト菌は嫌気性なので空気感染はしない。
一般的にはペスト流行エリアで動物に触れない限りは感染することはない。

しかし、肺ペストの場合は、患者の発する痰やペスト菌エアロゾルを介して感染が拡大する。
つまり、患者が咳き込むと目に見えない飛沫が飛散し、肺ペスト患者と同じ空間にいるだけで感染するリスクがある。

潜伏期間は1~7日程度。
悪寒・高熱・激しい頭痛・手足のしびれ・嘔吐・めまい・意識障害などの症状が表れ、心不全や循環器障害を発症して死に至る。

治療法

現代では治療薬が開発されている。

早期に発見され適切な投薬治療が行われれば十分に助かる見込みがある。

ただし、発症から数時間程度で死に至るケースも確認されている。
日本では発生が稀なペストの治療薬が医療機関に常備されているか、大量の患者が発生した場合に治療薬の供給が間に合うのかという点を考えると、十分な治療を受けられない可能性がある。

日本でのペストの歴史

日本では1899年に大阪で肺ペストが流行。
確認されているだけで入院患者161人中、全治わずか15名。
146名が亡くなっている。
致死率にすると93%。

このときは、肺ペスト患者の家族や医療従事者など周囲を巻き込んで感染が拡大した。

その後の27年間合計では患者数2,905人、死者2,420となっている。

1926年以降は日本でのペスト患者の発症は確認されていない。

「細菌学の父」として知られる北里柴三郎がペスト菌を発見し、ペストの治療法確立に貢献した。

海外でのペスト(黒死病)の歴史

ペストマスク

ペストマスク

14世紀のヨーロッパでペストが大流行し、黒紫色の斑点ができるところから「黒死病」と呼ばれた。

交易品の毛皮についたノミがペスト菌を保有していたためにヨーロッパ中に感染が拡大したと考えられている。

当時のヨーロッパの人口の3分の1~3分の2にあたる約2000万~3000万人が罹患し、イギリスやフランスでは人口の半分がペストにより死亡したとされている。

ウィルスや菌の存在が発見される以前の時代、病気の原因は瘴気(悪い空気)のせいだと考えられており、医者はペストマスクを装着して治療を行った。
ペストマスクのくちばしの部分には香辛料が詰められていて、香辛料が瘴気を取り除いてくれると信じられていた。

まとめ

最近北京に行ったことがある人は病院での検査が必要かもしれません。
潜伏期間は1~7日。

1926年以降、日本国内でのペスト発症は確認されていないことから、小さな病院では診断や治療が難しいかもしれません。
肺ペストは、発病後12~24時間で死亡するといわれており、5時間程度で死亡したとの報告もあるため、発症前の段階で病院に行かないと手遅れになる可能性があります。

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