コーラは風邪薬として誕生した
コーラといえば、のどを潤すさわやかな炭酸飲料水のイメージですが、実はもともとは風邪薬として販売された経緯があります。コーラを生み出した人物は薬剤師のジョン・ペンバートンで、最初は頭痛に効く薬として販売していました。コーラが誕生したのは1886年のこと。ある日、ペンバートン氏は香り高いカラメル色のシロップを調合していました。そのシロップを数軒先にあった薬局に持ち込み、炭酸水と混ぜて提供したことがコーラの始まりだったそうです。
試しに飲んでみると「他では飲んだことのない味」だとして評判となり、1杯5セントという値段で売り出すようになりました。そして、ペンバートン氏が作り出した飲み物は「コカの葉」と「コーラの実」から作られていたため、コカ・コーラと名づけられました。当時はコーラを飲むと元気になるとされていたため、嗜好品というよりは風邪薬として飲まれていたそうです。
コカの葉は危険?
「コカの葉」と聞くとコカインなどの麻薬をイメージしてしまい、危険なものだと感じてしまいますよね。しかし、コカインは当時禁止薬物ではなく、コカの葉のコカイン濃度も薄かったことから、普通に使用されていたのです。コカは微量であれば体力回復や中毒症状の緩和などの効能があるとされているため、コーラは風邪に効いたのかもしれません。
その後、コカ・コーラが売れて有名になると、コカインの成分が含まれていることに対する不安や反感が強まりました。そして、1903年にはコカインではなく、カフェインが含まれるようになり、現代のコーラに近いものが作られるようになりました。現在ではもちろん、コカ・コーラ以外のメーカーから販売されているコーラについても、麻薬成分は含まれていません。
本当に風邪に効果がある?
コーラといえば嗜好品のため、風邪に効くイメージのある人はほとんどいないではないでしょうか。
しかし、夏の暑い時期のフランスでは風邪予防としてコーラが飲まれたり、欧米では風邪をひいたらコーラを飲むという習慣があるそうです。では、コーラが風邪に本当に効果的なのか調べてみたところ、コーラを飲むことによって以下の効果が得られることがわかりました。
カフェイン:コーラに含まれているカフェインには頭痛や片頭痛を和らげる働きがあります。また、風邪で喉が炎症をおこして気管が狭くなっている場合には、気管を拡張させて呼吸をしやすくする効果があります。
糖分補給:コーラには糖質が多く含まれていることから、風邪で弱った身体に糖分を補給するのに向いています。風邪をひいているときには食欲も減退しがちのため、コーラを飲むことによって手軽に糖質を補うことが出来ます。
水分補給:ポカリスエットなどに比べて吸収率は低いですが、水分補給の効果もあります。
食欲促進:コーラに含まれている炭酸は胃の働きを活性化させる効果があります。胃の働きが活性化されることによって、食欲が促進されるため、風邪で食欲が減退しているときには有効かもしれません。
消化促進:コーラを飲むことによって胃酸が中和されることから、消化を早める効果があります。消化が早まるということは、食欲促進にもつながるため、風邪で食欲が減退しているときには有効かもしれません。
効果は“期待”できる程度であり、コーラで劇的に体調が回復することはありません。コーラに含まれる成分はある程度有効かもしれませんが、風邪は栄養と水分をたくさんとって、身体を温かくして治すのが一番です。身体を温めるという意味では、欧米では風邪をひいた時にコーラを温めてホットコーラにして飲んでいるそうです。また、食欲が減退しているときには、冷やしたコーラにレモンやショウガなどを入れて飲むこともあるそうです。風邪をひいて食欲がない…というときには試してみてもよさそうですね。
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