ブロッコリーが、消費量が多く国民生活に重要な「指定野菜」に追加されることが決まった。現在はキャベツやダイコン、トマトなど14品目が指定されているが、ブロッコリーの追加は半世紀ぶりの新規指定となる。農林水産省は2026年度から適用すると発表した。
農水省が半世紀ぶりに新規追加、2026年度から適用
指定野菜は、消費量が多く国民生活に重要な野菜として、農水省が定めるものである。最後に新規指定されたのは、1974年のバレイショだった。ブロッコリーは、指定野菜に準じる35品目の「特定野菜」となっていたが、特定野菜から指定野菜への格上げは初めてのケースとなる。農水省は、2026年度からブロッコリーを指定野菜に加えると発表した。
特定野菜から初の格上げ、価格下落時の補助金が手厚く
指定野菜に昇格することで、ブロッコリーの生産者にはメリットがある。安定的な生産を促すため、価格が著しく下がった場合に生産者に支払われる補助金が現在よりも手厚くなるのだ。特定野菜の場合は、補助金の対象となる価格下落幅が30%以上であるが、指定野菜の場合は20%以上である。また、補助金の上限額も、特定野菜の場合は1万円/10aであるが、指定野菜の場合は3万円/10aである。大規模な生産者や出荷団体は、農水省に登録すれば補助金の対象となり、国のガイドラインを踏まえて供給計画を作成する。
出荷量や購入量が大幅に増加、他の指定野菜と肩を並べる規模に
ブロッコリーの指定野菜への昇格は、消費量の増加に伴うものである。農水省によると、ブロッコリーの22年産の出荷量は15万7100トンで、12年産から28%増えた。総務省の家計調査でも、2人以上の1世帯あたりの購入量が22年に4850グラムとなり、12年比で29%増だった。農水省は「出荷量が横ばいか減少傾向にある野菜が多い中、他の指定野菜と肩を並べる規模になった」としている。
北海道や愛知県、埼玉県が主要産地、生産者や出荷団体は農水省に登録
ブロッコリーは北海道や愛知県、埼玉県が主要な産地となっている。北海道では、冬場に温暖な地域からの輸送コストが高くなることを受けて、ハウス栽培が増えている。愛知県では、ブロッコリーの品種改良に取り組んでおり、高温に強く、色や形が美しい品種を開発している。埼玉県では、ブロッコリーの収穫期に合わせて、他の野菜とのローテーション栽培を行っている。生産者や出荷団体は、農水省に登録すれば補助金の対象となり、国のガイドラインを踏まえて供給計画を作成する。
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