桃太郎のお供の秘密:家来が犬・猿・雉になった理由
桃太郎のお話は、日本の古典的な民話として親しまれていますが、その背景にはインドや中国の思想や神話が影響していると考えられます。特に、桃太郎のお供になった犬・猿・雉の選択には、様々な説がありますが、代表的な二つの説をご紹介します。
陰陽五行説
この説では、桃太郎のお供は、十二支という干支の並び方に基づいて選ばれたとされます。十二支を北から時計回りに並べると、鬼門(北東)・鬼ヶ島は丑寅の方角になります。鬼を抑える方角は裏鬼門(南西)となります。鬼退治をする桃太郎のお供は、裏鬼門から時計回りに申酉戌となったのです。鬼のイメージは丑の角、寅柄のパンツをはいている所から来ているとされるので、その対極の動物が必要だったのです。また、五行の金(宝)を見ると、桃太郎のお供だけではなく、五菓の桃や五穀の黍が桃太郎のお話とみごとに一致しています。これは、桃太郎が金の力を持つ英雄であることを示しています。
儒教説
この説では、桃太郎のお供は、儒教の思想に基づいて選ばれたとされます。儒教四書の論語に「智の人は惑わず、仁の人は憂えず、勇の人は恐れない」とあり、孔子は智仁勇を大いなる徳とみなしていました。桃太郎のお供を考えるとき智仁勇に、親しみのある動物をあてはめることによって子どもにもわかりやすいお話にしようとしたのです。
「智」 猿は猿知恵というように知恵があり、機転が利くとされます。
「仁」 犬は3日飼ったら恩を忘れないという仁徳があり、忠誠心が高いとされます。
「勇」 雉は火事の時自らの羽を巣に覆いかぶせ卵を守ることから勇気があり、闘志があるとされます。
以上のように、桃太郎のお供の犬・猿・雉には、それぞれ深い意味が込められているのです。桃太郎のお話は、単なる鬼退治の物語ではなく、古代の思想や神話が反映された豊かな文化遺産といえるでしょう。
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