液状化現象とは?

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液状化現象とは?

液状化現象は、地震が発生した際に地盤が液体状になる現象です。主に同じ成分や同じ大きさの砂からなる土が、地下水で満たされている場合に発生しやすいとされています。地震発生で繰り返される振動により、地中の地下水の圧力が高くなり、砂の粒子の結びつきがバラバラとなって地下水に浮いたような状態になります。

液状化現象による影響

液状化現象が発生すると、水よりも比重が重い建物が沈んだり、傾いたりします。また、水の比重よりも軽い下水道のマンホールなどが浮き上がる場合があります。特に、建物重量が軽く基礎が浅い木造住宅は、傾斜や沈下などの被害を受ける可能性があります。液状化による被害が生じると通常の生活が困難になるほか、建物を元の状態に戻す修復工事の期間中は建物が使えなくなるなどの影響を受ける場合があります。

過去の液状化現象による被害

2011年(平成23年)東北地方太平洋沖地震や2016年(平成28年)熊本地震等においては、宅地において液状化による甚大な被害が発生しました。液状化による被害は、ただちに人命に関わることは稀ですが、過去の液状化被害を振り返ると、噴水・噴砂の発生、戸建て住宅の沈下や傾斜、道路面の変形、ライフライン施設の被害等、液状化による被害が地震後の生活に及ぼす影響は多大にして多種多様であり、これらが複合的に発生することで影響期間は長期に及ぶことになります。

液状化現象のメカニズム

液状化現象は、ゆるく堆積した砂の地盤に強い地震動が加わると、地層自体が液体状になる現象のことです。液状化が発生しやすい場所は、地下水位の高いゆるく堆積した砂地盤などで、例えば、埋立地、干拓地、昔の河道を埋めた土地、砂丘や砂州の間の低地などがあげられます。液状化が生じると、砂の粒子が地下水の中に浮かんだ状態になり、水や砂を吹き上げたりします。建物を支える力も失われ、比重の大きいビルや橋梁は沈下したり、比重の小さい地下埋設管やマンホールなどは浮力で浮き上がったりします。やがて、水が抜け去ると、砂は締めかたまり、もとの状態かもう少ししまった状態になって、支持力を回復します。

液状化現象の研究

遺跡発掘調査現場などで液状化した砂の地層やその砂が上の地層を切って吹き出した噴砂の跡などが発見されることがあります。遺跡の発掘現場では各地層の年代が詳細に把握されていることが多いことから、歴史の資料に記述されている地震の記録などと照らし合わせて、過去の地震の研究に貴重な手がかりを与えます。

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