特別支援学校生徒が全身麻酔で歯を抜く治療中に低酸素状態に陥り、約1か月後に死亡

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7月13日、大阪府内の特別支援学校に通う高等部3年の男子生徒(17)が、障害者向けに治療を行う堺市堺区の市重度障害者歯科診療所で親知らずを抜くために全身麻酔を受けた。
麻酔で自発呼吸ができなくなり、肺に酸素を送るチューブを鼻から入れたが、低酸素状態に陥った。
血中の酸素飽和度は20%台に低下し、心肺停止状態となった。
救急隊員は搬送時に生徒の腹部が膨張していることに気付き、チューブを挿入し直した。
生徒は約1時間半後に意識を失い、8月9日に低酸素脳症で死亡した。

警察の捜査

大阪府警は、気管に通して肺に酸素を送り込むチューブが誤って食道に挿入された可能性があるとみて捜査している。
診療所側は遺族にミスを認めて謝罪したが、具体的な説明や原因究明は行っていない。
日本歯科大の砂田勝久教授(歯科麻酔学)は、「血中の酸素飽和度が下がった時点でチューブが食道に誤挿入された可能性を疑い、挿管し直す必要があったのではないか」と話している。

遺族の訴え

生徒の父親はNHKの取材に対し、「医師からは安全を考えて全身麻酔をした上で治療を受けた方がいいという説明があり、それに従いましたが、まさかその後命を落とすことになるとは思いもしませんでした。あのとき何があったのか診療所側にはしっかり説明してほしい」と話している。
遺族側は診療所から連絡されて両親と面会した際、「当時の経過を記した報告書」や「搬送先の病院からチューブを誤挿入した可能性」なども受け取ったものの、「判断ミスだった」としか言われず、「具体的な説明や原因究明」も求めている。

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