猫の好物は国によって違うって知ってた?
アニメや漫画、昔話に出てくる「お魚くわえたドラ猫」のパブリックイメージ。
猫の好物はお魚だとされているのは日本だけって知ってた?
猫は人間と長い歴史を共にしてきた動物ですが、その食事は地域によって大きく異なります。猫の好物は、その土地の人々の食文化や歴史に影響されています。今回は、日本、イギリス、イタリア、アメリカ、インド、チュニジアの6か国の猫の食事事情にスポットを当ててみました。猫の食文化にはお国柄がにじみ出るものです。
日本の猫は魚が大好き?
日本では、猫が好きなものといえば魚というイメージが強いですが、これは古代からの歴史が関係しています。仏教の影響で肉を食べることが難しかった高貴な人々は、猫にも魚を食べさせていました。また、日本人の食生活においても魚は身近なタンパク源でした。魚を焼いていると、その香りにつられて猫が現れる光景が日常的になっていきました。江戸時代には、行灯の燃料として使われていた魚油を舐める猫の影が「化け猫」という妖怪の由来になったとも言われています。魚油はオメガ3脂肪酸が豊富で、猫の健康にも良い食材です。日本の猫は魚を食べることで長寿を保ってきたのかもしれません。
イギリスの猫はウサギ肉がお好み?
イギリスは紳士の国で、猫も公務員としてネズミ捕獲の役職があるほど大切にされています。2017年には在ヨルダン英国大使館にも「ネズミ捕獲長」の猫が着任しました。歴史好きならニヤリとしてしまいますね。そんなイギリスの猫の好物は、ウサギ肉だと言われています。イギリスはハンティングが盛んな国で、ウサギは畑や牧場を荒らす厄介者として駆除されてきました。そのため、ウサギ肉は猫の食事として提供される機会が多かったのです。イギリスにルーツを持つ猫種は、ウサギ肉を使ったキャットフードを気に入ってくれるかもしれません。
イタリアの猫はパスタがお気に入り?
美食文化の国イタリアは、古代ローマ帝国の遺跡が残る歴史ある国です。猫も古代の遺構でくつろぎ、のびのびと暮らしています。イタリア半島は貿易の要衝で、古代エジプトから猫がやってきたと言われています。猫との暮らしも長い歴史を持っています。イタリアの猫の好物は、なんとパスタだと言われています。最近ではキャットフードが主流になりつつありますが、昔は猫にもパスタを食べさせていたそうです。チーズやトマトソース、オリーブオイルなど、いろいろなパスタを猫は食べていたそうです。イタリア発のキャットフードブランド、フォルツァ10もさまざまな食材を使ったウェットフードを販売しています。プロシュート(生ハム)を使ったものもあります。人間が美味しいと思うものを猫にも楽しんでほしい、そう考えるイタリア人らしいアイテムですね。
アメリカの猫はチーズとピザが大好き?
自由の国アメリカは、人間の食事でもビッグサイズのステーキやハンバーガーなどのイメージがありますが、猫の食事は自由奔放、ワイルドなのでしょうか?実はアメリカはキャットフードやサプリメントの研究の最先端を行く国です。総合栄養食の基準を定めているAAFCOもアメリカの機関です。アメリカやカナダのメーカーのキャットフードも多くあります。アメリカの猫の好物は、チーズとピザだと言われています。アメリカはチーズやピザの消費量がイタリアを上回っており、世界最大規模です。人間が美味しそうにピザを食べているのを見て、猫もピザのチーズを食べようとするそうです。猫用のチーズも販売されていますが、塩分や乳製品、添加物、玉ねぎなど、猫にとって良くないものが多く含まれているので、猫にピザはオススメしません。
インドの猫はカレーを食べる?
インドはネズミを神の使いとして崇める国です。そのため、天敵の猫は不吉な存在と考えられており、飼育しているのはごく一部の地域だけです。街で猫を見かけることはほとんどありません。しかし、猫がカレーを食べる姿が確認されています。マタタビに似たスパイスが入っているのか、カレーの香りが好きな猫は日本にもいます。他に食べるものがなければ、人の目を盗んでカレーを食べるのでしょうが、香辛料は刺激物で、猫にとっては良くありません。インドは猫にとって生きにくい国なのです。
チュニジアの猫はクスクスがお気に入り?
チュニジアは猫を大切にする文化があるのか、街中でくつろぐ猫の姿が見られる「猫天国」です。チュニジアの猫はひよこ豆やクスクスをよく食べています。
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