第100回箱根駅伝の概要
2024年1月2日・3日に開催される第100回箱根駅伝のチームエントリーが11日、発表された。大会は往復10区間、217.1kmで競われる。1チームにつき16人がエントリーされ、29日に改めて区間エントリーが発表される。この記事では前回シード権を獲得した10校のメンバーを紹介する。
前回大会同様、メンバー変更は最大6人まで。1日に変更できる最大人数は4人までとなる。
前回優勝の駒澤大学は三冠達成なるか
史上5校目の学生駅伝三冠を成し遂げた駒澤大学。1区間も首位を譲ることなく、出雲駅伝と全日本大学駅伝を制し、圧倒的な強さを誇る。他大学も「打倒駒澤」を掲げる中、エースで主将の鈴木芽吹や、八王子ロングディスタンスで10000m27分28秒50という驚異的な記録でU20日本記録を更新した佐藤圭汰、ハーフマラソン日本人学生記録保持者の篠原倖太朗らが待ち構える。入学時から注目度が高かった4年生は最多の7人がエントリー。前回大会で5区、6区を走った2年生の山川拓馬、伊藤蒼唯の走りにも期待したい。
中央大学はエース復帰で優勝を狙う
中央大学は、エースの吉居大和を欠いた出雲駅伝で総合7位、全日本大学駅伝は惜しくも総合4位に終わり、今回の箱根駅伝優勝に熱意を燃やす。エントリーメンバーには、10000mの自己ベストで28分00秒86のタイムを持つ中野翔太や、今季トラックレースで目覚ましい活躍をした吉居駿恭、2つの駅伝でいずれも区間2位の好成績を残した湯浅仁らが順当に選ばれた。調子を上げている本間颯や柴田大地ら1年生の活躍も見どころだ。
青山学院大学は安定した成績で優勝を目指す
今年の出雲駅伝は総合5位、全日本大学駅伝は最終区まで勝負がもつれる中、田中悠登が勝ち切って総合2位と今季の駅伝シーズンは安定した成績を残している青山学院大。箱根駅伝ではもちろん「優勝」を狙う。黒田朝日は出雲駅伝で区間賞、全日本大学駅伝で区間2位と抜群の成績を残しており、エース級に成長している。2022年の箱根優勝メンバーで主将の志貴勇斗や、関東インカレ2部5000mで日本人トップだった鶴川正也らはエントリーからは外れたが、充実した選手層は健在だ。
國學院大學は若い戦力で表彰台を狙う
出雲駅伝は総合4位、全日本大学駅伝は総合3位と優勝まであと一歩のところまで迫った國學院大學。4年生のエントリーは2人だけで、1~2年生10人と若い戦力で構成された。3本柱と呼ばれる伊地知賢造、平林清澄、山本歩夢に加え、2年生青木が順当にエントリー。前回大会の経験者が7人残る中で、目標は表彰台だ。
順天堂大学は世界陸上入賞者を擁して巻き返しを狙う
今季の駅伝シーズンはいずれも2桁順位と苦しんでいる順天堂大。箱根駅伝では巻き返しを狙い、目標は前回大会の成績である総合5位だ。今年の世界陸上3000m障害で6位となり、日本勢初となる入賞を果たした三浦龍司や、5000mの高校記録保持者の吉岡大翔の走りが見どころ。2大会連続で5区を担っていた四釜峻佑(現・ロジスティード)が走った山登りを誰が担うか注目だ。
早稲田大学はエース級の3人が牽引する
出雲駅伝と全日本大学駅伝で目標としていた総合3位以内を逃した早稲田大学。箱根駅伝では総合5位以内を狙う。10000m27分台ランナーの石塚陽士、上尾ハーフマラソンで1時間1分16秒で日本人トップの成績を残した山口智規、前回大会5区区間6位の伊藤大志のエース級の3人に加え、全日本大学駅伝1区区間2位と好走した間瀬田純平ら粒ぞろいの戦力だ。工藤慎作ら力があるルーキーにも期待だ。
法政大学は一体感を武器に総合5位以内を目指す
2021年大会は総合17位。前々回10位、前回7位と着々と順位を上げてきている法政大学。今年は大学史上初の全体合宿を行い、チームの結束を図ってきた。エースはハーフマラソン1時間1分56秒のタイムを持つ松永怜。5区候補に細迫海気、6区候補には武田和馬ら箱根に出走経験のある選手がそろう。狙うは総合5位以内だ。
創価大学は留学生枠の活躍で総合3位以内を狙う
5年連続の出場となる創価大学。出雲駅伝では過去最高の総合2位に入り勢いがある。箱根駅伝出場は7回目とまだまだ経験は浅いが、5区候補には出雲駅伝、全日本大学駅伝で区間賞を獲得した吉田響を擁している。今年度5000m、10000m、ハーフマラソンのすべてで自己記録を塗り替えた山森龍暁、留学生枠はスティーブン・ムチーニが勝ち取り、総合3位以内を目標に据える。
城西大学は日本人選手も負けず劣らず
出雲駅伝は総合3位、全日本大学駅伝は総合5位と、いずれも歴代最高成績を収めている城西大学。その立役者が関東インカレ2部5000m、10000mの2冠、今季の駅伝いずれも区間賞とトップを総なめしているヴィクター・キムタイだ。前回大会5区区間賞を獲得した「山の妖精」こと山本唯翔や、全日本大学駅伝4区区間賞の斎藤将也など日本人選手も負けてはいない。箱根路では3位以内が目標だ。
東洋大学はシード権獲得へ
22年連続82回目の出場となる東洋大学。出雲駅伝は総合8位、全日本大学駅伝は総合14位と、今シーズンは苦戦を強いられている。けがから復帰した松永怜や、1年時から箱根駅伝に出走している梅崎蓮が順当にエントリーされた。6区候補には九嶋恵舜と西村真周の経験者がいる。19年連続のシード権獲得なるか。
以上が、前回シード権を獲得した10校のチームエントリーの紹介でした。第100回箱根駅伝は、駒澤大学の2季連続三冠を阻止できるのか、シード権を守れるのか、新たなシード権を獲得できるのか、など見どころがたくさんあります。どの大学にも応援の声を送りましょう。
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