綱引きは世界中で行われているスポーツで、昔はオリンピックの種目として採用されていたこともあります。誰もが一度は運動会で綱引きを経験したことがあるかと思いますが、綱を引く時の掛け声が「オーエス」だったという人は多いのではないでしょうか。でも、綱引きの定番の掛け声「オーエス」がどういう意味かご存じですか?
日本の綱引きの歴史と「オーエス」の誕生
日本の綱引きの歴史は深く、古来日本では綱引きは神事として開催されていました。平安時代には既に綱引きは存在していたようですが、このころの掛け声が「オーエス」だった訳ではありません。明確にいつ頃から「オーエス」という掛け声が始まったかは定かではありませんが、一説によると明治時代からだとされています。
明治時代になって他国との交流が盛んになった日本では、海外チームと綱引きの交流戦が行われていました。既にそのころの綱引きは神事という意味合いよりもスポーツとして一般的に楽しまれるようになっていました。そして、イギリス人に綱引きの指導をしてもらったところ、その時に掛け声で発せられた「oh hisse(オーイス)」が、日本人の耳には「オーエス」と聞こえたのです。このことが「オーエス」の語源となりました。
「オーエス」の意味と由来
「オーエス」の語源である「oh hisse(オーイス)」はフランス語で、「hisse」は動詞の原形だと「hisser」です。「hisser」は「持ち上げる、引っ張る」という意味があることから、直訳すると「引っ張れ!」といった意味になりますね。
日本語の「オーエス」についてはオーイスが訛ったことが語源となって誕生した言葉なので、「オーエス」という言葉そのものに特に意味はありません。強いていえば、「よいしょ!」などに近いといえるかもしれません。
全国各地で綱引きの掛け声が違う
綱引きの掛け声といえば「オーエス」がメジャーだと思うのですが、意味や由来や語源を詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか?
また、綱引きの掛け声は地域によって違いがあるようです。ここからは、「オーエス」の次に多い掛け声や、その他の特殊な掛け声を紹介したいと思います。
「オーエス」の次に多いのは「よ~いしょ、よ~いしょ」
掛け声を口にしながら綱を引くと、手によりいっそう 力が入りますよね。
綱引きの時の掛け声は欠かせないものですが、「よ~いしょ、よ~いしょ」と言いながら綱を引く地域もあるんです。
全国には、綱引きの際様々な掛け声が存在しますが、「よ~いしょ、よ~いしょ」が「オーエス」の次に多い掛け声です。
この掛け声を使っている地域ランキング上位から紹介しますと、福島県、富山県、長野県、岐阜県、三重県、滋賀県、奈良県、和歌山県、山口県、大分県となっています。
上は東北から下は九州まで幅広く活用されているようですね。
高知と宮崎は綱引きの掛け声が特殊
全国的にみると、様々な掛け声があると先ほど少し述べましたが、中でも高知と宮崎は特殊なんですよ。
まず高知の掛け声は「サーウン、サーウン」ということで、なかなか個性的な掛け声だと思いました。
宮崎の掛け声も特殊で、「エイエイエイサー」というんです。
「サーウン、サーウン」も、「エイエイエイサー」も力が入りそうな掛け声
他にも、地域によっては「ワッショイ」や「イチ・ニ・イチ・ニ」などの掛け声が使われています。
綱引きで勝つための必勝法
綱引きに参加するなら、相手チームに勝ちたいですよね。
綱引きで勝つには、いくつかのコツがありますので紹介します。
綱の持ち方
脇を締めて、網は利き手のほうを身体に近づけて持ちます。
立つ位置と向き
ロープを挟み、左利きの人はロープの右側、右利きの人はロープの左側に立つ。
身体は正面に向けて、ロープを持ったら肩で引くイメージで引っ張りあげます。
どこに視線をやるか
斜め上を見ることで、自然と胸を張った姿勢になり力が入りやすくなります。
綱の位置
力をまとまって加えるために、常に網が真っ直ぐになるように意識します。
体重が重い人は、重心を低くし、しゃがみこむ姿勢になるのがコツです。
また、綱の中央から背の高い順番に並ぶのがポイントです。
掛け声
綱に大きくまとまった力を加えるために、掛け声を合わせて引っ張ります。
この中で1番大事なのが「掛け声」です。
綱引きという競技は、綱に対して全員の大きな力をリズムよくかけることがとても大事で、掛け声はその力を引き出してくれる効果があるのです。
コメント