NHKの元ニュースキャスターで外交評論家の磯村尚徳さんが6日、骨髄異形成症候群で亡くなった。
磯村さんは「ニュースセンター9時」の初代キャスターとして親しまれたほか、東京都知事選に出馬したり、パリ日本文化会館の館長を務めたりした。
磯村さんは幼少期をトルコで過ごし、フランス語や英語に堪能だった。
詳細
磯村さんは1929年に東京で生まれた。父親の仕事の関係でトルコで育ち、帰国後、学習院大学に入学した。
大学卒業後、NHKに記者として入局した。中東やヨーロッパなどの特派員を経て、1974年からNHKのニュース番組「ニュースセンター9時」の初代キャスターになった。原稿を読み上げるだけでなく、感想や解説を加えるなど、新しいスタイルを確立した。「ミスターNHK」とも呼ばれた。
NHKを退職した後、1991年に東京都知事選に立候補したが、現職の鈴木俊一さんに敗れた。その後は外交評論家として活動し、日本の文化をヨーロッパ向けに発信する「パリ日本文化会館」の初代館長に就任した。1998年の長野オリンピックでは開会式の総合司会も担当した。
磯村さんはフランス語や英語など外国語に堪能な国際派として知られた。フランス国家功労賞を受賞したほか、著書「ちょっとキザですが」はベストセラーになった。
磯村さんは最近までフランスとの文化交流活動を続けていたが、6日に骨髄異形成症候群で都内のホスピスで亡くなった。94歳だった。
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