大晦日の過ごし方とタブー
大晦日は、一年の終わりと新年の始まりを祝う特別な日です。日本では、年神様を迎えるために、おせち料理や年越しそばなどの食事や、掃き納めや年の湯などの行事があります。しかし、大晦日には、縁起が悪いとされる「やってはいけないこと」もあります。これらのタブーは、古くから伝わる言い伝えや風習に基づいています。時代とともに変化している大晦日の過ごし方ですが、一年の終わりを意味深く、新しい年を明るいスタートにするために、大晦日にやってはいけないこと、やっておくべきことを知ってみましょう。
大晦日にやってはいけないこと【食事編】
大晦日には、美味しい料理を楽しみたいですよね。しかし、大晦日には、以下のような食事に関するタブーがあります。
餅つき:大晦日についたお餅は「一夜餅」といって、葬儀の時の「一夜飾り」に似ているため、縁起が悪いとされています。お正月のお餅は、29日と大晦日を除いた日につくのがよいでしょう。
煮物料理:煮物料理は、灰汁(あく)が出ると「悪」を連想させるため、避けた方がよいとされています。煮物だけでなく、アクが出る汁ものも同様です。大晦日には年越しそばを食べるので、煮物や汁ものは気にせず作ってもよいかもしれません。
キッチンで火を使う:大晦日に長時間にわたってキッチンで火を使うと、火の神様が休めないという言い伝えがあります。大晦日に時間をかけておせち料理を作るのは、火の神様に失礼とされるため、年末年始の料理は、30日までに準備しておくとよいでしょう。
大晦日にやってはいけないこと【行動編】
大晦日には、家族や友人と楽しく過ごしたいですよね。しかし、大晦日には、以下のような行動に関するタブーがあります。
正月飾りを飾る:正月飾りは、年神様を迎えるためのものなので、大晦日にバタバタと準備をするのは失礼だとされています。正月飾りは、28日までに飾るようにしましょう。
大掃除:大晦日に忙しく動き回っていると、年神様が家に入れなくなると言われています。大掃除は、30日までに終わらせておくようにしましょう。大晦日は、簡単な掃除で済ませるようにして、穏やかに年神様をお迎えしたいですね。ちなみに、元旦に大掃除をするのも、年神様が掃き出されるため、やってはいけないと言われています。
早く寝る:新年を迎える大晦日の夜は、夜ふかしをする方も多いですよね。大晦日に早く寝てはいけないと言われるのは、年神様を寝ないで迎え入れる「年籠り」という習わしがあったからです。年神様を迎え入れる大晦日の夜に早く寝てしまうと、生命力が衰えると考えられていました。現代では「大晦日に早く寝ると、シワや白髪が増える」という言い伝えが残っています。どうしても眠くて我慢できないときは、寝る前に「稲積む(いねつむ)」と言うと、白髪やシワが増えないといわれています。
新年を迎えるまでにやり終えておくべきこと
大晦日は、年神様を迎える準備のために、やってはいけないことだけでなく、やっておくべきこともあります。素晴らしい新年を迎えるために、大晦日に「やり終えておくべきこと」についても知っておきましょう。
年越しそばは大晦日に食べきる:一年の厄を断ち切るという意味が込められている年越しそばは、新年に持ち越さないように食べるようにしましょう。夕食の時や、夜が深まる22~23時頃など、家庭によって食べるタイミングは様々ですが、食べている途中に新年を迎えてしまわないように注意しておきたいですね。
お風呂も年をまたがない:大晦日に入るお風呂は「年の湯」といって、厄落としになります。昔は、一年のけがれを洗い流すと考えられ、大晦日の入浴は特別なものだと考えられていました。そのため、年が明けてお風呂に入ると、福を洗い流してしまうと考えられていたため、現代でも、新年を迎える瞬間には、お風呂に入らないように、気を付けるといった風習が残っています。
大晦日に家族で囲む特別な食卓:年末になると、クリスマスや大晦日、お正月など、家族や友人が集まって食事をする機会が増えますよね。大勢で集まって囲む食卓には、温かい家庭料理やデリバリーを利用した料理が定番です。美味しい料理を食べながらのコミュニケーションは、より一層盛り上がりますよね。
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