コンブが海でダシが出ないのはなぜ?
コンブは生きているからダシが出ない
料理に欠かせない、美味しいコンブのダシ。コンブは水にさらすだけでダシが出てきますが、海の中ではダシが出ることはありません。一体なぜでしょうか。実は、コンブのダシの旨味成分はグルタミン酸などのアミノ酸で、昆布の細胞の中に含まれています。アミノ酸は、昆布が生きていくためにとても大切な成分です。だから、昆布が生きている間は細胞によって体内に閉じ込められていて、外に出ないようになっています。昆布のダシが海の中では出ないのはこのためです。実際に、昆布のまわりの水を採取して調べてみても、旨味成分は一切含まれていません。
コンブは加工されるとダシが出る
しかし、コンブは海から引き揚げられると死んでしまい、細胞のガードも壊れます。その結果、生きている間は中に閉じ込められていたアミノ酸が外に出られるようになります。水にさらせば簡単に旨味成分が出てくるようになり、料理のときは、簡単にダシを取ることができます。昆布のダシが海の中で出ないのは、昆布の細胞が生きていて、旨味成分を閉じ込めていたからでした。市販されているコンブは、収穫した生きたコンブを地面に広げて延ばし、太陽の光と風にあてて長時間乾燥させるという簡単な工程で作られます。この工程でコンブは死んでしまい、出汁が出るようになります。
コンブの種類と仲間
コンブは、その種類を調べただけでも20種類以上あります。私たちが日々お世話になっているコンブは、北海道原産のものが中心で、マコンブ、ナガコンブ、ホソメコンブ等。学術的な分類で言うと、コンブ目コンブ科に属します。食卓で目にするコンブの名前は、水揚げされる場所で名前が変わります。羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布等が有名です。コンブは出汁をとったり加工して食用として食べたりと皆さんにとっても身近な食材です。スーパーや飲食店でもたくさんの加工品や食品としてあつかわれていますね。ちなみに、コンブと同じく私たちとなじみの深いワカメも実はコンブの仲間で、コンブ目チガイソ科という種類になります。食卓で見るワカメは、コンブと違い、薄くてペラペラとしていますが、あれはワカメの一部を切り取ったもので、ワカメ全体はコンブのように肉厚でしっかりとしていて大きな姿をしています。収穫したばかりのワカメは、コンブと同じように緑色でぷりぷりしています。
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