スーパーチューズデーとは?なぜ火曜日?
アメリカ大統領選の候補者指名レース、全米の各州で予備選挙や党員集会が行われる「スーパーチューズデー」。この日は、最も多くの代議員が決まる重要な日であり、候補者の真の実力が問われる日でもある。スーパーチューズデーは、1980年代から始まった選挙日の集中化の結果であり、過去にはビル・クリントン氏やバラク・オバマ氏など、大統領になった人物にとっても転機となった日だった。アメリカではなぜ大きな選挙が火曜日に行われるのか、その歴史と意義を探る。
大統領選挙の日は1845年に決まった
アメリカの大統領選挙は、11月の第1月曜日の翌日の火曜日に行われる。これは、1845年に制定された法律によって決められたものである。当時のアメリカは、キリスト教徒が多く、日曜日は安息日として休む日だった。また、交通機関が発達しておらず、投票所に行くには馬車で移動する必要があった。遠方の人が投票に間に合うようにするために、月曜日ではなく火曜日が選ばれたのである。その後、多くの州では、予備選挙や党員集会も火曜日に設定するようになった。
スーパーチューズデーは1980年代から始まった
スーパーチューズデーとは、多くの州で同時に予備選挙や党員集会が行われる日のことである。この日には、最も多くの代議員が決まるため、候補者指名レースに大きな影響を与える。スーパーチューズデーは、1980年代から始まった選挙日の集中化の結果である。特に、民主党の南部の州が、中道派の候補者を大統領選で勝利させるために、選挙日を集約させたことがきっかけとなった。1988年には、全米20州とアメリカ領サモアで予備選挙などが行われた。この日は、南部スーパーチューズデーとも呼ばれた。現在のスーパーチューズデーの原型となったのは、この日である。
スーパーチューズデーは候補者の転機となる日
スーパーチューズデーは、候補者の真の実力が問われる日でもある。これまでに、スーパーチューズデーで勝利した候補者が、その後の指名レースや大統領選で成功した例が多い。1992年には、当時無名だったビル・クリントン氏が、スーパーチューズデーで圧勝し、その後の民主党の指名を獲得した。そして、大統領選では、現職のジョージ・H・W・ブッシュ氏を破って、第42代大統領に就任した。2008年には、バラク・オバマ氏とヒラリー・クリントン氏が、スーパーチューズデーで大接戦を演じた。オバマ氏は、州の数ではクリントン氏を上回ったが、代議員数では敗れた。しかし、その後の指名レースで逆転し、民主党の候補者になった。そして、大統領選では、共和党のジョン・マケイン氏を破って、第44代大統領になった。
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