トリガー条項とは?
トリガー条項は、ガソリン価格の急激な上昇を抑制するために設けられた税制の仕組みです。この条項は、ガソリン税の一部を一時的に免除し、消費者の負担を軽減することを目的としています。2010年に民主党政権下で導入されたこの制度は、ガソリンの小売価格が一定の基準を超えると自動的に減税が行われるというものです。
ガソリン税の概要
ガソリン税は、揮発油税と地方揮発油税を合わせた税金で、1リットルあたり53.8円が課されています。このうち25.1円は本来の税額に上乗せされたもので、トリガー条項により、ガソリンの平均小売価格が1リットル当たり160円を3ヶ月連続で超えた場合には、この上乗せ分が自動的に減税されます。逆に、価格が130円を下回ると、上乗せ分の課税が復活します。
軽油に関する税制
軽油にも同様の仕組みがあり、軽油引取税として1リットルあたり32.1円が課されています。このうち17.1円が上乗せ分で、トリガー条項が適用されます。
トリガー条項の現状
2011年の東日本大震災後、復興財源を確保するためにトリガー条項は凍結され、その状態が続いています。しかし、原油価格の上昇や円安を背景にガソリン価格が高止まりしている中で、国民生活への負担を軽減するために、野党からは凍結解除を求める声が高まっています。政府と与党内では地方の税収減を懸念する慎重論が強く、結論は見送られています。
税収への影響
トリガー条項が発動されると、ガソリン税からの税収は年間約1兆円、軽油引取税からは年間約5000億円の減少が見込まれます。この税収減をどう補うかが、今後の大きな課題となっています。
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