「繫靭帯炎」とは?

この記事は約2分で読めます。

「繫靭帯炎」とは?

競馬の世界では、「繫靭帯炎(けいじんたいえん)」という病気・故障が馬の脚部で発生し、その影響が甚大であることが知られています。

繫靭帯炎は、第1指骨と第3中手骨(管骨)をつなぐ部分である「球節」に影響を及ぼします。球節に存在する「種子骨」をつなぐ靭帯が炎症を起こす疾患で、これを総称して繫靭帯炎と呼びます。炎症は、種子骨の上部にある靭帯または中手骨の下部にある靭帯で発生することがあります。

病因と影響

球節は競走馬が走行中に脚を着地した際の衝撃を和らげる役割を果たしています。そのため、この部分に炎症や骨折が発生することは少なくありません。さらに、繫靭帯炎は一旦症状が回復しても、運動強度を上げると再発しやすい性質を持っています。地面の硬さが発症の要因であるかのように考えることもありますが、実際には一概に「硬い地面から発生する」とは言えません。

治療と競走馬への影響

繫靭帯炎を発症した競走馬は、最低でも8か月から1年以上の期間を要する治療が必要です。そして、前述の通り再発しやすい性質を持っているため、競走馬にとっては非常に厄介な疾患です。近年、この故障により競走馬が引退せざるを得なくなる例が増えており、屈腱炎と並んで競走馬にとって致命的な病気と言えるでしょう。

競走馬界の事例

繫靭帯炎から引退せざるを得なくなった競走馬の例も多く存在します。以下は一部の事例です。

  • シンボリルドルフ
  • メジロマックイーン
  • アドマイヤベガ
  • ヒシミラクル
  • シーザリオ
  • フェノーメノ
  • エピファネイア
  • ハープスター
  • ステルヴィオ
  • フィエールマン
  • ステイフーリッシュ
  • メイショウダッサイ
  • デアリングタクト

また、一部の競走馬は繫靭帯炎から復帰し、再び競走に参加しています。これらの馬は驚異的な回復力を示した例と言えます。

  • ハクシヨウ
  • サクラスターオー
  • オグリキャップ
  • フェノーメノ
  • シゲルピンクダイヤ
  • コントレイル
  • デアリングタクト

デアリングタクトについては繫靭帯炎の発症後、1年1か月の休養後にレースに復帰したが、それから1年5か月後に繫靭帯炎が再発して引退

競走馬にとって、繫靭帯炎はそのキャリアと生涯に大きな影響を与える厄介な疾患として、常に注目されています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました