ツツガムシ病:ダニによる感染とその対策

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ツツガムシ病:ダニによる感染とその対策

ツツガムシ病は、Orientia tsutsugamushiを原因菌とするリケッチア症で、特定のダニによって媒介されます。感染は主に汚染された草むらでダニの幼虫に吸着されることにより起こり、季節変動に伴い発生が見られます。

疫学

日本では、アカツツガムシ、タテツツガムシ、フトゲツツガムシの3種のダニがこの病気を媒介します。これらのダニの一部には、菌を持つ有毒ダニが存在し、人間がこれらに吸着されると感染します。感染はダニのライフサイクルと密接に関連しており、特定の季節に発生のピークがあります。

病原体

ツツガムシ病の原因菌は、偏性細胞内寄生細菌であるオリエンティア・ツツガムシです。この菌には複数の血清型が存在し、標準型と新しい型が報告されています。

臨床症状

潜伏期は5〜14日で、高熱、ダニの刺し口、発疹などの典型的な症状が現れます。これらはツツガムシ病の主要な徴候とされ、多くの患者に見られます。また、倦怠感や頭痛、リンパ節の腫脹なども一般的な症状です。

病原診断

診断は主に血清診断で行われ、間接蛍光抗体法や免疫ペルオキシダーゼ法が用いられます。また、菌のDNA検出や菌分離も診断方法として存在しますが、実用的ではない場合もあります。

治療・予防

治療にはテトラサイクリン系の抗菌薬が第一選択薬とされ、予防にはダニの吸着を防ぐ措置が重要です。ワクチンは存在しないため、汚染地域への立ち入りを避けるなどの予防策が推奨されます。全国の医療機関では、ツツガムシ病を含むダニ媒介性リケッチア症に常に注意が必要です。

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