アウストラロピテクスとは?
アウストラロピテクスは、約420万年前からアフリカで生存した化石人類の一群です。彼らは「南方の猿」とも呼ばれ、直立歩行する人類として、サヘラントロプス・ラミダス猿人に続いて出現しました。ただし、アウストラロピテクスと現生人類であるホモ=サピエンスは直接的には繋がっていないことに注意してください。
アウストラロピテクス属の登場時期
アウストラロピテクス属は、アウストラロピテクス=アフリカヌスを含む複数の種から成り立っています。アウストラロピテクス=アフリカヌスは約280万年前に登場したと考えられており、他の種も420万年前のアウストラロピテクス=アナメンシスや380万年前のアウストラロピテクス=アファレンシスなどが含まれています。最古のアウストラロピテクスの出現は、約420万年前とされています。
アウストラロピテクスの特徴
アウストラロピテクスには、頭蓋骨の形状に基づいて細身のタイプ(華奢型)と頑丈なタイプ(頑丈型)の2つがあります。後者はパラントロプスと分類され、ジンジャントロプス(現在はアウストラロピテクス=ボイセイと言われている)が代表的な例です。これらのアウストラロピテクスは同時期に併存していたと考えられていますが、後者は約100万年前まで生存して絶滅し、前者からホモ属が進化したとされています。
ルーシーとアウストラロピテクス=アファレンシス
1974年にエチオピアのハダールで発見されたアウストラロピテクス=アファレンシスの化石は、約390~290万年前に生存していたものです。この化石は「ルーシー」として知られ、ほぼ完全な骨格がわかっています。ルーシーは身長1メートルで、脳の大きさはチンパンジーと大差ないものの、確実に二足歩行していたことが判明しています。彼女は上野の国立科学博物館で復元モデルとして見ることができます。
アウストラロピテクスの生活と社会
アウストラロピテクスは直立二足歩行に適していたことから、樹上生活よりも草原での生活に適していたと考えられています。彼らは草原の食物(イネ科の硬い葉など)を摂取していたことが分析から判明しており、肉食動物を解体して食べた痕跡も見つかっています。集団を作り、多くの子供を生むことで肉食獣から身を守ったとされています。
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