綾辻行人のミステリー小説「十角館の殺人」実写映像化

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概要

現代本格ミステリーの第一人者である綾辻行人のデビュー作『十角館の殺人』が、実写映像化されることが決定した。
動画配信サービス「Hulu」で2024年3月22日から独占配信される。
監督は内片輝、脚本は八津弘幸が担当する。

原作小説の特徴と評価

『十角館の殺人』は、緻密かつ巧妙な叙述トリックで読者をその世界に引き込みながらも、たった1行で事件の真相を描くという大胆な手法でミステリー界に衝撃を与えた傑作である。
その特異性から、長年映像化は不可能と言われ続けてきた。
しかし、その功績が讃えられ、2023年10月に発表されたタイム誌が選ぶ「史上最高のミステリー&スリラー本」オールタイム・ベスト100に選出された。
ドストエフスキー『罪と罰』、アーサー・コナン・ドイル『バスカヴィル家の犬』、スティーヴン・キング『シャイニング』、トマス・ハリス『羊たちの沈黙』など世界の名だたる作家、そして名著と肩を並べる快挙を成し遂げた。

「館」シリーズの概要

『十角館の殺人』は、「館」シリーズの第1作目である。
綾辻は、このシリーズを36年間にわたって書き続け、現在もシリーズ10作目となる『双子館の殺人』を連載中である。
世界中のミステリーファンに大きな影響を与え続けている。
全世界シリーズ累計670万部を超える。

物語のあらすじ

物語の舞台は1986年、十角形の奇妙な外観を持つ館十角館が存在する角島(つのじま)である。
この館を建てた天才建築家・中村青司(なかむら・せいじ)は、焼け落ちた本館・青屋敷で謎の死を遂げていた。
半年後、無人島と化した角島に、大学ミステリー研究会の男女7人が合宿で訪れる。
その頃、海を隔てた本土では、かつてミス研メンバーだった江南孝明(かわみなみ・たかあき)のもとに死んだはずの中村青司から1通の手紙が届く。
<十角館に滞在するミス研メンバー>と<死者からの手紙>。「偶然とは思えない」。
江南は調査を進めるなか、島田潔(しまだ・きよし)という男と出会い、行動を共にしていく。
一方、十角館では、ミス研の1人が何者かに殺害される。「犯人は一体誰だ?」
疑心暗鬼に陥り、互いに仲間を疑いはじめるメンバーたち。
孤島である角島から出ることができるのは、1週間後。
2つの物語から起こる【想像を超えた衝撃の結末】とは。

映像作品のスタッフとビジュアル

監督は、ハリウッド仕込みの映像演出で緊張感のある作風を得意とする内片輝である。
内片は、以前から親交のあった綾辻へ、『十角館の殺人』の映像化を自ら打診したと言い、20年間夢見たという映像化プロジェクトの実現を果たす。
脚本は、TBSの『陸王』、『下町ロケット』、『半沢直樹』などの重厚な人間ドラマをはじめ、内片監督とタッグを組んだWOWOW『水晶の鼓動 殺人分析班』のようなサスペンス、ミステリーといった刑事ドラマ、裁判ドラマなどの専門知識もあり、大胆な構成力とエンターテインメント性をベースにした重厚な人間ドラマ、笑って、泣ける人情ドラマを手がけてきた八津弘幸が担当する。
そのほか、早野円、藤井香織も脚本に参加している。
解禁となったティザービジュアルには、天才建築家・中村青司が設計した正十角形の間取りが特徴的な館で、原作本にも登場する「十角館の平面図」が描かれている。
超特報映像には、綾辻の「どうやって実写化するの?できるの?」というコメントが添えられ、死んだはずの中村青司からの「お前たちが殺した千織は、私の娘だった」という謎に満ちた手紙、原作のイメージそのままに実写としてその姿を現す十角館の館内、そして角島にやってきたミス研メンバーの姿が映し出されていく。
ラストに待ち受けるあの1行の衝撃を、どう映像化するのか、期待が高まる仕上がりとなっている。

綾辻行人のコメント

綾辻は、「どうやって実写化するの? できるの?という疑念を、やはりまず抱かざるをえませんでした」と率直に明かしつつ、「内片監督渾身の作であることは間違いないはずです。どんな仕上がり

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