リンパ浮腫とは?
リンパ浮腫(リンパふしゅ)は、リンパ液が体の組織に正しく排出されないことによって引き起こされる腫れの状態です。通常、リンパ液はリンパ管を通って体の組織に溜まった老廃物や余分な液体を回収し、体内のリンパ節を通じて再循環させる役割を果たしています。しかし、何らかの理由によりリンパ管が損傷し、リンパ液が適切に排出されなくなると、組織に余分な液体がたまり、浮腫(腫れ)が生じます。
リンパ浮腫は、主に次の2つのタイプに分類されます
原発性リンパ浮腫
リンパ管の先天的な欠陥や機能障害により発症するタイプです。特に、乳がん治療後に発症することが多いブレストリンパ浮腫がよく知られています。
続発性リンパ浮腫
リンパ管が外傷、手術、放射線療法、がんの転移などの影響を受けて損傷し、浮腫が生じるタイプです。特に、がんの治療によるリンパ節の摘出が原因として挙げられます。
リンパ浮腫の主な症状としては、以下が挙げられます
腫れ
特に四肢や手足に腫れが現れます。
重だるさ
腫れた部分が重く感じられることがあります。
皮膚の硬化
浮腫した部分の皮膚が硬くなることがあります。
痛み
浮腫した部分が痛むことがあります。
感染
リンパ浮腫の部分は感染しやすくなることがあります。
リンパ浮腫の治療は、主に次のような方法があります
マニュアルリンパドレナージュ
特殊なマッサージやリンパの流れを促進するテクニックを用いて、リンパ液の排出を助けます。
コンプレッション療法
特殊な圧迫ストッキングや包帯を使用して、腫れた部分に圧力をかけてリンパの流れを改善します。
運動療法
適切な運動を行うことで、リンパの流れを促進します。
薬物療法
抗生物質などを用いて、感染を予防・治療します。
リンパ浮腫は治療が難しい場合もありますが、早期の発見と適切な治療により、症状の改善や進行の阻止が期待されます。重要なのは、リンパ浮腫の早期発見と適切な治療を受けることで、生活の質を向上させることができるという点です。
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