ツリーを飾って、ごちそうを食べて、大切な人と過ごすクリスマスは、1年の中でも特別な日。クリスマスというと、ローストチキンやフライドチキンを食べるイメージがある方も多いと思いますが、…さて、なぜチキン料理なのでしょうか?
クリスマスの定番料理はなぜチキンなのか?
クリスマスは、鶏を丸ごと焼いた「ローストチキン」や、鶏肉をサクッと揚げた「フライドチキン」が定番料理ですよね。
しかし、なぜクリスマスといえばチキンなのでしょう?「昔からそうだったから」「なんとなくイメージで」という方も多いと思います。
実はイギリスではローストビーフ、北欧では肉より魚、スウェーデンでは豚肉料理など、世界各国ではクリスマス=チキン(鶏肉)というわけでもないんです。
日本でこれほど「クリスマスにチキン」が根付いたのは、いつ頃からなのでしょうか。
日本でクリスマスにチキンを食べるようになった理由
日本で「クリスマスにはチキン」が当たり前になった理由には、きちんとしたルーツがあります。
クリスマス当日の12月25日は、イエス・キリストの誕生日。キリスト教の信仰が深いアメリカやヨーロッパ諸国ではキリストの誕生を祝い、感謝する風習がありました。それが、クリスマスという行事の始まりです。
そんな特別な日の料理として定番だったのが、七面鳥のローストです。そのため、現在でもアメリカでクリスマスの定番といえば、ロースト―ターキー(七面鳥の丸焼き)と言われています。
クリスマスというイベントは、アメリカから日本に広まりましたが、当時、日本では七面鳥が生息しておらず、入手が難しかったという背景があります。
その代わりに使われたのが、そう、鶏肉(チキン)だったのです!
ローストチキンというと、七面鳥のことだと思っていた方も多いかもしれませんが、クリスマスに鶏肉を食べるのは日本独特の文化だったんですね。
クリスマスにフライドチキンを食べるのはケンタッキーのおかげ!
そしてクリスマスに食べるチキンといえば、ケンタッキーフライドチキン(KFC)を思い浮かべる方も多いはず。実はこれにもきちんとした理由がありました!
アメリカ生まれのファストフードチェーン店「ケンタッキーフライドチキン」(KFC)が日本にはじめて出店したのが1970年。
当時は「骨付き肉を手で食べる」という文化が日本になく、順風満帆なスタートではなかったのだとか…。しかし大阪の万国博覧会や高度経済成長などの流れから次第にファッショナブルな存在として浸透していったそうです。
そしてあるクリスマス、日本に住む外国人が「七面鳥がないから、チキンを食べにきた」と来店したことをヒントに、KFCの営業担当者が「クリスマスにはケンタッキー」というコマーシャルを打ったことで、現代の「クリスマスにはフライドチキン」という文化が根付いたといわれています。
なぜアメリカでは七面鳥を食べる?
余談ですが、アメリカのクリスマスで七面鳥を食べるようになった理由もご紹介。クリスマストークのネタにしてみてはいかがでしょう?
「アメリカのクリスマスといえば七面鳥」には諸説あるのですが、その起源は中世のヨーロッパの人たちが、アメリカを開拓しようとしていた時代にまでさかのぼる説が有力です。
移住民たち(ヨーロッパの人々)は、本土にいた時のように牛や豚などの家畜を自由に飼えない状況だったために、代わりに七面鳥を食べたと言われています。
七面鳥は北アメリカに生息する大型の鳥で、1羽丸ごとローストすれば、多くの人のお腹を満たすことができたそうです。
そして、似たような内容ですが、アメリカのクリスマスに七面鳥を食べるようになった有力な説がもうひとつあります。
同じく、アメリカ開拓時代。さっそく土地の開拓をはじめた移住民でしたが、すぐには成果が出せず、食糧も確保できないまま厳しい冬を迎えていました…。
それを見かねた先住民(インディアン)が飢えをしのぐために分け与えたのが、野生の七面鳥。おかげで移住民は命の危機を脱することができたと言われています。それ以来、七面鳥の丸焼きは特別な日に食べるご馳走になったのだそうです。
そんなルーツがあるからこそ、アメリカではイエス・キリストが誕生したクリスマスに、七面鳥のローストを食べるのですね。
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