ビットマスターが破産
重要【破産申立てについて】
株式会社ビットマスター 代表取締役 西 貴義
弊社は、令和元年11月22日、東京地方裁判所に破産の申し立てを行いました。
(中略)
破産に至る原因の主たるものとしては、ビットコイン相場が上昇したことにより、会員の皆様よりお預かりしていたものと同数のビットコインの調達が困難になったことが挙げられます。
(中略)
本件の詳細については、破産管財人より、債権者集会にて報告がなされる予定です。
債権者集会は、令和2年5月20日14時から、ホテルメルパルク東京にて、開催される予定となっております。また、今後の本件に関する情報は、近日中に破産管財人よりホームページが開設され、こちらに随時情報が掲載される予定とのことです。
【魚拓】重要【破産申立てについて】 | 株式会社ビットマスター- 2019年11月27日 13:02 - ウェブ魚拓
ビットマスターという会社が破産申し立てを行いました。
負債総額は109億4400万円。
22,369名の債権者がいるそうです。
顧客資産の使い込み?
公式サイトには以下のようにあります。
「破産に至る原因の主たるものとしては、ビットコイン相場が上昇したことにより、会員の皆様よりお預かりしていたものと同数のビットコインの調達が困難になったことが挙げられます。」
ここが意味不明。
ビットコインを扱う会社なら、ビットコインの価値が上昇すれば普通はうれしい。
預かっていたものなのになぜ調達する必要があるのか?
預かってるだけなら手元にあるはず。
これ、預かっていたはずのビットコインを使いこんじゃったってことですよね。
かなり悪質なんじゃ…
ビットマスターは仮想通貨交換業者としては未登録。
そのため、ビットコインの売買はできない。
だから、会員権を100万円で売る→会員は100万円相当のビットコインがもらえる(実質的にはビットコインを売買しているのと同義)みたいなシステムだったのかも?
債権者集会
「本件の詳細については、破産管財人より、債権者集会にて報告がなされる予定です。
債権者集会は、令和2年5月20日14時から、ホテルメルパルク東京にて、開催される予定となっております。」
債権者集会が令和2年5月20日に開かれるようです。
令和2年(2020年)5月20日といえば半年後ってことですね。
6か月も待てないでしょ…
一刻も早く説明会したほうがいいんじゃ。
ビットマスターって何の会社?
当社は、1986年(昭和61年)5月の設立。かつては、印鑑や家庭用浄水器等の訪問販売を主業とするほか、「ゆいの会」と称して会員制各種ショッピングや旅行、葬儀等のサービス提供も行っていた。2017年5月に現商号に変更後は仮想通貨ATM(自動預払機)のネットワークビジネス販売など仮想通貨交換関連事業を展開していた。
仮想通貨交換業の許認可取得も目指していたなか、ビットコイン相場が上昇したことにより、会員から預かっていたものと同数のビットコインの調達が困難となり、財務面の悪化から許認可取得出来る可能性も途絶えたことで事業継続を断念、今回の措置となった。
負債は、個人を中心とする債権者約2万2300人に対して約109億4439万円。
ttp://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4630.html(リンク切れ)
帝国データバンクの破産情報によると
「仮想通貨ATM(自動預払機)のネットワークビジネス販売など仮想通貨交換関連事業」
とあります。
ネットワークビジネスというと、ネズミ講っぽいあやしいやつですね。
マルチ商法、MLM(マルチレベルマーケティング)、連鎖販売取引などいろんな呼び方があります。
ビットコインなどの仮想通貨は基本的には持っているだけでは意味がありません。
日本円やドルなどの現金に変換することで初めてお金として利用できるようになります。
ビットコインをその時のレートに換算して現金で引き出せる特別なATMがあるのですが、ビットマスターはそれの販売をしていたらしいです。
そして、ビットマスターの会員になると、
- 会員も「仮想通貨ATM」を販売できるようになる
- 販売すると会員にもインセンティブが入ってくる
- 「仮想通貨ATM」の利用手数料が販売した会員にも入ってくる
- 会員が新しい会員を勧誘すると、勧誘した会員はインセンティブがもらえる
みたいなシステムだったようです。
そして、そのインセンティブがビットコインで支払う契約になっていたっぽい。
しかし、実際には「仮想通貨ATM」の販売はほぼやっていなくて、会員権を数十万円で売りさばいて、会員が新しい会員を勧誘して…という連鎖で集金をしていたっぽい。
これ、ポンジスキームなんじゃ?
ポンジ・スキームとは?
ポンジ・スキームとは、詐欺の一種。
1910年代~1920年代にアメリカで活動していた詐欺師チャールズ・ポンジ(Charles Ponzi)の名前に由来します。
安愚楽牧場(あぐらぼくじょう)事件などがポンジスキームを利用した詐欺として有名。
(安愚楽牧場は詐欺事件としては不起訴になっています)
「出資者から資金を募り、その資金で○○を運用して利益を出資者に配当する」
表向きにはこういう説明をします。
しかし、実際には利益などは発生しておらず、出資金の一部を切り崩して配当をします。
マルチ商法と相性が良く、会員が会員を獲得するとコミッション(配当金)が発生する仕組みにすることでどんどんと会員が増えていき、序盤に加入した人にとっては定期的に配当がされるので資産が増えていると勘違いしてしまいます。
しかし、実際には出資金を食いつぶしているだけなので、いつかは配当をできないタイミングが訪れ確実に破綻します。
どこからどう見ても詐欺ですが、犯人が「運用がうまくいかずたまたま赤字になってしまった」というスタンスを取ると詐欺罪での立件は難しくなります。
安愚楽牧場の場合は、「和牛のオーナーになると儲かる」というのが誘い文句でした。
ビットマスターの場合は、ビットコイン。
安愚楽牧場は被害者数73,356人、被害総額4,207億円と大規模な破たんで話題となりました。
しかし、詐欺罪では嫌疑不十分で不起訴となっています。
(一応牛は飼っていました)
ビットマスターは被害者が22,369名、被害額は109億4400万円。
- 実業を行っていたのか
- 出資金を募った時点で返金の見込みがないことを自覚していたのか
このあたりが争点になってきます。
ずいぶん前からあやしかった?
8月に火災?
鹿児島本社カスタマーセンター復旧作業進捗について
8/27(火)深夜早朝の火災に対しての作業進捗について
ご連絡いたします。まずはこの度の漏電による火災により、パートナーの皆様には
多大なご迷惑とご心配をお掛けしたことを心からお詫び申し上げます。調査の結果現在、本社の電気・インターネットなどの
設備が不通の状態で、また放水の影響から
事務所自体も使用不可能となりました。
緊急に仮事務所を
契約し9/4(水)から引越ししております。
そのため、会員様の登録・メール返信業務は
来週9/9(月)から再開できるようになる予定です。発送業務関連ですが、倉庫火災により
在庫で管理していた新・旧概要書面やその他
アプローチブックなども焼失してしまいました。
こちらは印刷会社に発注し到着後から再開いたします。誠に申し訳ございませんが、電話回線の工事の関係により
電話応対につきましては、本社復旧後の再開となります。
1日でも早く対応できるように作業を進めておりますが
再開目処は今のところ不明です。
恐れ入りますがしばらくの間、弊社へのお問い合わせはメールにてお願い致します。
現在のところメールの件数も2000件近くなっており
順次対応して参りますが、返信に時間がかかることをご理解ください。順次再開目処が立ち次第、ご連絡いたします。
【魚拓】鹿児島本社カスタマーセンター復旧作業進捗について | 株式会社ビットマスター- 2019年11月27日 13:14 - ウェブ魚拓
ビットマスター 、電話すると火事により業務を停止していますと言う内容のアナウンス。相変わらず、メールの返信もなし。#ビットマスター
— ちゅん (@l6FASiwnxLi2A7S) 2019年9月10日
ビットマスターはずいぶん前からあやしかったようで、解約したいといっても何かと理由をつけて解約させてくれない仕組みだったようです。
2019年8月には本社に電話しても、火事があったので業務停止中だという旨のアナウンスが流れてつながらないしメールも返信しないという状況だったようです。
10月にサーバートラブル?
ビットマスター、よほど解約が殺到してるのか引き延ばし策第二段発動・・・ pic.twitter.com/obHtILOe89
— こーいち@エンジェリウム非公認アドバイザー (@koichi_fa) 2019年11月6日
2019年10月には、サーバートラブル(原因不明)により返金ができないというアナウンスが。
業績悪化によるパートナーの資産消滅
Q: ビットマスターの仮想通貨口座ハッキング対策はできていますか?
A: 弊社ビットマスターでは、仮想通貨法に基づき顧客資産と企業資産の分別管理を行なっております。
従って、弊社の業績悪化によるパートナーの資産消滅は起こり得ません。
さらに、弊社独自の安心セキュリティシステムを導入しております。
仮想通貨資産をインターネット回線から切り離したペーパーウォレット(コールドストレージ)に移行するだけでなく、それらを某銀行貸金庫内にて厳重に保管しております。(以下:コールドバンク)
近年見られる取引所を狙ったハッキング事件が多発していますが、ビットマスターはハッキングの可能性を根本から断ち切ったコールドバンクシステムを採用しているため、仮想通貨の盗難・消失の心配は一切ありません。
事実、5年以上の歴史で、ハッキング等の被害は一度もありません。
https://bitmaster.jp/faq/
ビットマスターのサイトにあるQ&Aのページには上記のようにあります。
「弊社の業績悪化によるパートナーの資産消滅は起こり得ません」とサイトに明記されています。
これは明らかに虚偽の記載ではないでしょうか?
Q&Aの趣旨がセキュリティに関するもので、「第三者がハッキングにより仮想通貨を盗難することはできない」ということを説明しています。
たしかに「当事者がお金を使いこむことはありません」とは書いてありませんが……
顧客から預かった資産を使いこむと「業務上横領罪」に問われます。
「顧客資産と企業資産の分別管理」を掲示しながら、それが守られていなかったとなると罪に問われることになりそうです。
ビットマスターの関連会社BMEX
ビットマスターとBMEXは本社所在地が同じ。
本社ビルの入り口には「BMEX」「BitMaster」という2つのロゴが並んでいます。
ビットマスターは代表取締役が「西貴義」
BMEXは代表取締役「古里 英文」
西貴義氏はBMEXのチーフビジネスオフィサーという役職についています。
名詞管理サービス「Eight」
西貴義
株式会社BMEX
チーフビジネスオフィサー【魚拓】西貴義 株式会社ビットマスター | Eight プロフィール- 2019年11月27日 13:22 - ウェブ魚拓
また、カナダにある「DMG Blockchain Solutions Inc.」という会社ではこの2名が大株主となっています。
西 貴義 16.5%
古里 英文 16.5%
両名とも16.5%の株式を保有。
DMG Blockchain Solutions Inc.はその名の通り仮想通貨のブロックチェーン関連の企業のようです。
株式会社フォーサイド
当社連結子会社における新たな事業の開始並びに第三者割当てにより発行される株式及び第 10 回新株予約権の募集並びに当社連結子会社における固定資産の取得に関するお知らせhttp://ke.kabupro.jp/tsp/20171227/140120171227443653.pdf
上記のリンクは「フォーサイド」という会社のプレスリリース。
「DMG」という会社のブロックチェーン技術を利用することになりましたという発表です。
ここに「DMG Blockchain Solutions Inc.」の株主情報が載っていました。
「フォーサイド」はビットマスターやBMEXとは直接的な関連会社ではなさそうです。
BMEXは2018年に金融庁から業務停止命令を受ける
株式会社BMEXに対する行政処分について
1. 株式会社BMEX(本店:鹿児島県鹿児島市、法人番号 2040001085893 、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号、以下、「法」という。)附則第8条に基づく仮想通貨交換業者)(以下、「当社」という。)に対し、法第63 条の15 第1項の規定に基づき、平成29年12月26日(火曜日)に当社の業務の状況等に関する報告徴求命令、平成30年2月1日(木曜日)にシステムリスク管理態勢に関する報告徴求命令を発出し、3月5日(月曜日)に金融庁において立入検査に着手した。
2. 上記の報告徴求命令に基づく報告及び立入検査により当社の業務運営状況を確認したところ、当社は、特定の大口取引先からの依頼に基づき、複数回にわたり利用者から預かった多額の金銭を流用し、一時的に同先の資金繰りを肩代わりしていた事実が認められており、法第63条の11(利用者財産の管理)及び法第63条の10(利用者の保護等に関する措置)に違反している。
上記法令違反に加え、自社の財務基盤・収益構造に関するリスク分析を行っておらず合理的な経営計画を策定していないほか、その他法令上求められる実効性ある態勢が整備されておらず、法令等遵守や適正な業務運営を確保するための実効性のある経営管理態勢が不十分であることが認められたことから、本日、当社に対し、法第63 条の17第1項及び法第63条の16の規定に基づき、以下の内容の業務停止命令及び業務改善命令を発出した。(1)業務停止命令
平成30年4月13日から平成30年6月12日までの間、仮想通貨交換業に係る全ての業務(仮想通貨の交換等に関し利用者に対して負担する債務の履行、利用者財産の返還のための業務及び当局が個別に認めたものを除く。)を停止すること。(2)業務改善命令
適正かつ確実な業務運営を確保するための以下の対応
ⅰ 法令等を遵守するための実効性のある態勢の構築
ⅱ 利用者財産を適切に管理するための分別管理態勢の構築
ⅲ 合理的な経営計画の策定
ⅳ 取り扱う仮想通貨に関するリスク管理態勢の構築
ⅴ システムリスク管理態勢の構築
ⅵ マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係る管理態勢の構築
ⅶ 外部委託先管理態勢の構築
ⅷ 上記ⅰからⅶが実施できていない根本的な原因の分析・評価を行ったうえで、当該評価に基づく経営体制の抜本的な刷新、適正な業務運営を確保するための実効性のある経営管理態勢の構築上記ⅰからⅷの事項について、講じた措置の内容を平成30年5月14日まで及び当局の求めに応じて随時に書面で提出。
http://kyusyu.mof.go.jp/rizai/pagekyusyuhp015000065.html
「複数回にわたり利用者から預かった多額の金銭を流用」とありますね。
また、「合理的な経営計画を策定していない」ともあります。
業務停止命令は平成30年4月13日から平成30年6月12日まで。
業務停止命令=倒産ではなく、一定期間活動ができなくなるだけのようです。
BMEXが業務停止命令を受けたのは2018年。
2019年11月22日のお知らせではBMEXは
「事業を停止しました」
「破産の申し立てには至っておりません」
とあります。
- ビットマスター: 破産
- BMEX: 活動はしないけど会社は残っている(破産はしていない)
BMEX火災情報、第2報は無し
【重要】ビル火災によるカスタマー業務対応について【第1報】
2019.8.29
日頃から、BMEXをご愛顧賜り厚く御礼申し上げます。
鹿児島オフィスの入居ビルが火災の為、現在カスタマー業務を停止しております。本火災による人的被害等はありませんでしたが、正式な業務復旧の目途は立っておりません。
復旧次第、当ホームページお知らせにてご案内の予定です。皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解の程、よろしくお願いいたします.。
http://archive.today/hfJku
2019年8月29日にBMEXが「【重要】ビル火災によるカスタマー業務対応について【第1報】」というお知らせをリリースしています。
「復旧次第、当ホームページお知らせにてご案内の予定です」と書いてありますが、3ケ月経過した現在も、火災から復旧しましたというリーリースは発表されていません。
そして、2019年11月22日に「関連会社のビットマスターが倒産したのでうちも業務停止します」という旨のリリースを発表しています。
【重要】関連企業倒産に伴う事業停止について
株式会社ビットマスターは、令和11月22日、東京地方裁判所に破産の申し立てを行い、同日17時に破産手続開始決定(令和元年(フ)第8370号)を受けました(同社の破産手続に関する情報は、同社のホームページをご確認ください)。
これに伴い、同日付けで弊社も事業を停止しました。現時点では、弊社は、破産法の定める手続開始要件に該当しないものと理解しておりますので、破産の申し立てには至っておりません。もっとも、株式会社ビットマスターの破産管財人からの調査には誠実に協力する予定です。
同社の破産手続の進行に伴う弊社の対応については、今後、このホームページでお知らせをさせていただく予定です。
皆様には大変ご迷惑をお掛け致しますが、ご理解の程、よろしくお願い致します。
http://archive.ph/tadj6
火災自体が顧客対応を無視するためのフェイク?
火災なんて起きていないんじゃないかという噂もありますね。
もしくは、証拠隠滅の為に放火したのではないかという話まで聞こえてきます。
火災は実際にあった?
それらしい火災情報は発見しました。
【鹿児島市薬師1丁目の4階建てビルで火災】
27日未明、鹿児島市薬師1丁目の4階建てのビルで火事がありました。
けが人はいませんでした。https://t.co/mQARxyoOS8#ktstv#鹿児島— KTS鹿児島テレビ (@ktstv) 2019年8月27日
08月27日 02時45分頃、薬師1丁目18番地 エンゼルハイム付近で発生した建物火災は、鎮火しました。
ガッコム安全ナビ
https://www.gaccom.jp/safety/detail-401625
ビットマスターの所在地は「鹿児島県鹿児島市 薬師1丁目18番13号 MⅡビル」
ビットマスターのサイトにあるお知らせでは「8/27(火)深夜早朝の火災」とあります。
日付と番地までは一致しています。
「ガッコム安全ナビ」は自治体や警察発表をまとめているようです。
しかし、大元になった自治体発表の資料は見つけられず。
「KTS鹿児島テレビ」のほうはツイートは残っていますが、肝心のソースが削除されています。
誤報だから削除されたのか、一定時間が経過したから自動的にリンク切れになったのか。
まとめ
たぶん出資者のお金は返ってこないでしょうね…
詐欺なのか?
事業がたまたまうまくいかなかっただけなのか?
裁判になるでしょうから、資金の流れがどうなっていたのかは法廷で明らかになっていくと思います。
だけど、詐欺は立件が難しい。
「騙すつもりがあったかどうか」なんて証明できないですからねぇ。
本人が「そんなつもりじゃなかった」と言えば、どんなに怪しくても「疑わしきは罰せず」が適用されてしまいます。
結局は、勧誘の時に適切な説明がなされていなかったとして「出資法」違反とかが落としどころになるんじゃないかな。
「弊社の業績悪化によるパートナーの資産消滅は起こり得ません」とビットマスターのサイトに明記している点はポイントになってくるでしょね。
コメント
半分怪しいと思いながら友人に勧められて百万円ですが出資しました。勉強代としては安い方だったと思います。