◯月◯日は◯◯を食べる日。日本の年中行事と食べ物まとめ
3月3日は「ひな祭り」、雛あられなどを食べます。
5月5日は「子どもの日」、柏餅などを食べます。
7月7日は「七夕」、???
季節のイベントには、だいたい食べ物が登場するけど、七夕だけマイナーじゃない?
「○○の日」がやってくるたびに、「今日は何をすればいいんだっけ?」と思うことがあるので、主だった年中行事を一覧にまとめました。
◯◯の日、食べ物一覧
日付 | 行事 | 食べ物 |
---|---|---|
1月1日 | お正月 | おせち お雑煮 お屠蘇 |
1月7日 | 人日 | 七草粥 |
1月15日 | 鏡開き | 鏡餅 |
2月3日 | 節分 | 豆 恵方巻 鰯 |
2月14日 | バレンタイン | チョコレート |
3月3日 | 雛祭り | ちらし寿司 はまぐりのお吸い物 ひなあられ 菱餅 甘酒 |
3月14日 | ホワイトデー | マシュマロ |
5月5日 | こどもの日 | ちまき 柏餅 菖蒲湯 |
6月21日 | 夏至 | 小麦・タコ |
7月7日 | 七夕 | 素麺 |
7月21日 | 土用の丑の日 | うなぎ |
9月9日 | 重陽の節句 | 栗ご飯 菊酒 |
9月22日 | 秋分の日 | おはぎ |
10月1日 | 十五夜 | 月見団子 |
12月21日 | 冬至 | かぼちゃ ゆず湯 |
12月24日 | クリスマス | ターキー チキン クリスマスケーキ |
12月31日 | 大晦日 | 年越しそば |
1月1日、お正月
お正月の食べ物と言えば「おせち料理」と「お雑煮」ですね。
御節料理(おせちりょうり)
「おせち」は漢字で書くと「御節」です。
3月3日の「雛祭り」を「桃の節句」、5月5日の「子供の日」を「端午の節句」と言ったりしますね。
中国の陰陽五行説がベースになっていて、年に5回、節句があります。
各「節句」に食べる料理のことを「御節供(おせちく、おせっく)」と呼んでいましたが、いつの間にかお正月だけが「御節」と呼ばれるようになりました。
お雑煮(おぞうに)
お雑煮の原型は烹雑(ほうぞう)だといわれています。
「烹」は「煮る」という意味です。
「割烹」の「烹」ですね。
和食屋さんのことを「割烹」といったりしますが、食材を「割」って(細切れにして)「烹」ることに由来します。
神様へのお供え物を煮込んで食べたのが烹雑。
野菜や魚などお供え物は何でも入れたので「雑」の字が使われています。
元がごった煮で、定型のレシピがある料理ではありませんでした。
そのため全国でお雑煮の作り方はさまざま。
おすましだったり、みそ汁だったり、甘かったり、しょっぱかったり。
昔はお正月以外にも食べられていましたが、いつの間にか「お雑煮=お正月」が定番に。
地域によっては、今もお正月以外に結婚式などのお祝いの席で登場することがあります。
お屠蘇(おとそ)
1年の邪気を払い、長寿を願って飲まれるお正月のお酒。
日本酒に薬草などを浸して作ります。
おせちやお雑煮に比べるとマイナーな習慣。
1月7日、人日の節句
1月7日は人日(じんじつ)の節句、七草粥を食べる日です。
七草粥(ななくさがゆ)
以下の七つの食材をお粥に入れて食べます。
健康祈願。
- せり
- なずな
- ごぎょう
- はこべ
- ほとけのざ
- すずな
- すずしろ
1月15日、鏡開き
鏡餅
お正月定番の飾り物である「鏡餅」、正月期間が明けるとお供えから降ろして食べます。
「割る」や「切る」だと縁起が悪いので「開く」と表現するようになりました。
鏡開きをいつ行うかは地域によって違い、1月11、1月15日、1月20日の3種類が主流のようです。
日が経ってカチカチになったお餅を、おしるこなどに入れて柔らかくして食べます。
2月3日、節分
2月3日は節分の日。
旧暦では「節分」は1年の最後の日、大晦日にあたります。
1年の邪気を払い、新年を迎えるために、豆まきなどを行います。
福豆
「鬼は外、福は内」という掛け声とともに煎った大豆を投げます。
魔を滅するという意味の「魔滅」と「豆」がかかっています。
また、年齢の数だけ豆を食べます。
古くからの習慣なので数え年をベースに。
数え年というのは、生まれた時に0歳ではなく1歳から数える年齢のカウント方法です。
ようするに年齢+1です。
恵方巻
恵方に向かって太巻きを食べます。
恵方は毎年方角が変わり、2020年は「西南西やや西」です。
恵方には歳徳神・年神様がいて、そちらの方角に向かってお願い事をすると縁起がいい。
初詣も、自宅から恵方の方角にある神社に参拝するとご利益が高い。
2020年の恵方は「庚(かのえ)」
上図の一番外側、24方位システムの左下のあたりに「庚」があります。
24方位はあまり一般的ではないので、コンビニの恵方巻などには「今年の恵方は西南西」のように16方位で書いてあります。
しかし、「西南西」だと「庚(かのえ)」と「申(きのえ、さる)」の中間の方角になってしまいます。
4方位: 東西南北
8方位: 4方位 + 北東・南東・南西・北西
16方位: 8方位 + 北北東・東北東・東南東・南南東、南南西、西南西、西北西、北北西
恵方は24方位システムなので、16方位システムだと「西南西やや西」のような表現になります。
恵方巻の食べ方
- 太巻きを1人1本用意する
- 恵方を向く
2020年の恵方は庚(西南西やや西) - 太巻きにそのままかぶりつく
縁が切れる、福が途切れるので包丁で切り分けてはいけません。 - 無言で食べ切る
声を出すと福が逃げるといわれています。
鰯(いわし)
節分には鰯を食べたり、鰯を玄関に飾ったりします。
主に関西で普及している習慣。
鰯の頭だけを柊の枝に指して飾ったり、飾らずに普通に鰯の塩焼きを食べたり。
鰯の匂いで鬼をおびき寄せて柊のとげで鬼の目を突き刺す、鰯を焼くときの煙で鬼を燻して追い払う、などなど理由については諸説あり。
こちらは商業的に流行らせたものではないので、統一ルールのようなものはなく、土着の習慣がそのまま残っている感じ。
2月14日、バレンタインデー
日本の伝統文化といっていいのかは微妙な所だが、完全に定着しているイベントなので紹介。
チョコレート
この日は異性にチョコレートを送ります。
バレンタインの起源
バレンタインデーの起源はローマ帝国時代にさかのぼります。
その頃は戦争中で、兵士の結婚が禁止されていました。
不憫に思ったヴァレンタイン司祭は、軍には内緒で結婚式をあげさせていました。
しかし、これが発覚し、ヴァレンタインさんは処刑されてしまいます。
その処刑日が2月14日だったといわれています。
また、当時の2月14日はユーノーの祝日でした。
ユーノー(Juno)とは結婚や出産を司る女神です。
6月を意味するJuneは、結婚の女神Junoに由来します。
そのため、6月に結婚すると幸せになれると言い伝えられています。
結婚の女神ユーノーの祝日である2月14日に処刑されたバレンタイン司祭。
これが語り継がれて、2月14日は「恋人たちが愛を誓いあう日」となりました。
日本のバレンタイン
昭和11年(1936年)2月12日、神戸のモロゾフ製菓が日本式バレンタインの発祥だといわれています。
モロゾフは外国人向け英字新聞「ザ・ジャパン・アドバタイザー」に
「For Your VALENTINE Make A Present of Morosoff’s FANCY BOX CHOCOLATES」
(あなたのバレンタインにモロゾフのチョコレートを)
という広告を掲載しました。
英字新聞に広告を掲載していることからも分かるように、この時はまだ日本にはバレンタインデーの文化はありませんでした。
また、この広告の効果ですぐに日本に定着したというわけでもありませんでした。
この後、他のチョコレートメーカーや百貨店などが真似をしてキャンペーンを行い、30年ほどかけて日本に定着することになります。
ちなみに海外では、チョコレートに限らず、クッキーを送ったり花束を送ったり、プレゼントの内容は自由。
また、「女性から男性へ告白をする日」という概念も日本だけのようです。
3月3日、ひな祭り(雛祭り、桃の節句、上巳の節句)
ひな祭りとは、言わずと知れた女の子の日。
この日は、ひな人形を飾り、ちらし寿司・はまぐりのお吸い物・ひなあられ・菱餅・甘酒などを食します。
ちらし寿司
なぜ「ひな祭り」には「ちらし寿司」を食べるのか?
日本の雛祭りの習慣は平安時代ごろに始まったとされ、その頃にはお祝いの食事として「なれ寿司」が食べられていました。
また、一説には、江戸時代の法律が影響しているとも言われています。
当時、質素倹約のために庶民には一汁一菜が命じられていました。
お祝いの席でも堂々と料理を並べ立てる事がはばかられたため、1皿に多くの具材を乗せて「一汁一菜」のルールの中でごちそうを作る工夫が「ちらし寿司」でした。
ハマグリのお吸い物
ハマグリは2枚貝です。
上下の貝殻は対になっていて形がぴったり一致します。
逆に、別の貝の殻を持ってきて合わせても、形が一致しません。
このことから、ハマグリは良縁に恵まれる縁起の良い食べ物とされています。
3月14日、ホワイトデー
2月14日のバレンタインデーにチョコレートをもらったら、1か月後の3月14日に男性から女性にお返しをします。
マシュマロ(白い食べ物)
昔はマシュマロが定番でしたが、最近ではそうでもありません。
好きなものを送りましょう。
5月5日、端午の節句(こどもの日)
こどもの日には、「柏餅」や「ちまき」を食べ、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入ります。
ちまき
関西ではこどもの日に「ちまき」が食べられることが多いようです。
ちまきとは、笹の葉などでもち米を包んだ食べ物。
あまい系(餅菓子系)としょっぱい系(中華おこわ系)があります。
もともとは、茅(ちがや)の葉で包んでいたので「ちがやまき」と呼ばれていたのが変化し、「ちまき」となりました。
ちまきが日本に入ってきたのは平安時代の頃。
端午の節句や「ちまき」の源流をたどると、中国の逸話にたどりつきます。
昔の中国に屈原(くつげん)という偉い人がいました。
屈原は政敵に陥れられ川に身を投げ自殺をします。
その命日が5月5日です。
屈原を慕っていた民衆は、屈原を弔おうと米を川に投げ入れます。
しかし、悪い龍に食べられてしまい屈原には届きません。
そこで、龍の嫌いな茅の葉で米を包み、邪気を払う五色の糸で縛って川へ流しました。
この五色の糸が、鯉のぼりの5色に繋がります。
柏餅
関東ではこどもの日に「柏餅」が食べられることが多いです。
柏餅が誕生したのは江戸時代。
ちまきよりも後輩です。
柏の木は、新芽が出るまで落葉しないことから、子孫繁栄を意味する縁起がいい木とされています。
- 普通の木: 秋になると葉が落ちる
- 柏の木: 秋になっても葉が落ちない、春先の新芽が出るときにバトンタッチで葉が落ちる
(家系が途切れないという願掛け)
柏餅は、江戸時代に江戸のまちで始まり、ちまきに変わる縁起物としてこどもの日に食べられるようになります。
江戸を中心に各地へ広まりますが、柏の木が自生しているのが関東中心だったため、全国区とはなりませんでした。
1930年頃からは全国的に柏餅が普及し始めるが、お餅を包んでいる柏の葉は実は韓国や中国から輸入したもの。
菖蒲湯(しょうぶゆ)
菖蒲の葉を風呂に浮かべて入る菖蒲湯
菖蒲は邪気を祓うと言われ、真っ直ぐな葉が刀に似ているので、男子に縁起のよいとされています。
テルペン類、アザロン、オイゲノールの菖蒲の香りの成分は、血行促進、疲労回復に効果があります。
もうすぐ端午の節句、子供の日ですね。
元気で過ぎましょう pic.twitter.com/ULFGC6Rnvm
— 土屋幸太郎@土屋薬局 山形県東根市 (@tutiyak) May 2, 2019
「菖蒲」には邪気を払う力があるといわれています。
また、「尚武」や「勝負」の音にもかかっています。
菖蒲の葉はまっすぐに伸び、刀の形に似ていることから、男児にとって縁起物と考えられました。
菖蒲の葉を刀に見立てて子供の腰に挿す、菖蒲刀(あやめがたな、あやめだち、しょうぶがたな)という飾りもあります。
6月21日、夏至
夏至は1年で最も日照時間が長い日。
年によって日付は微妙にずれます。
日本全国共通で、これといった食べ物は存在しません。
地域によって、小麦を使ったやきもちを食べたり、タコを食べたり。
7月7日、七夕
七夕(たなばた)には素麺(そうめん)を食べます。
七夕=素麺はあんまり有名じゃないですけどね。
素麺を食べると裁縫が上手になるといわれています。
7月21日、土用の丑の日
毎年日付は微妙にずれます。
丑の日には「う」のつくものを食べると縁起がいいとされ、うどん・うめぼしなどが食べられていました。
土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代に平賀源内がはやらせたといわれています。
うなぎの本来の旬は秋から冬。
夏場はうなぎ屋の売り上げが落ちるため、「丑の日=うなぎ」というキャンペーンで商業的に流行させたのが定着しました。
9月9日、重陽の節句(菊の節句)
重陽の節句には栗ご飯を食べます。
9は0~9の中で最も大きい数字。
昔は奇数(1,3,5,7,9)を陽数、偶数(0,2,4,6,8)を陰数と呼んでいました。
また、陽数は縁起が良く、陰数は縁起が悪いと考えていました。
そのため、1桁の数字で最大の陽数である9が月と日の両方で重なる「9月9日」はおめでたい日だとされていました。
おめでたい日なのでもちろんごちそうを食べます。
この時期に旬を迎える栗。
これを栗ご飯にして食べました。
また、日本酒に菊の花を浮かせた菊酒も楽しみました。
菊は不老長寿の霊薬といわれていて、菊酒を飲んで健康祈願と長寿祈願を行いました。
9月22日、秋分の日
秋分の日は昼と夜の長さが同じ。
日付は毎年異なります。
この日はおはぎを食べます。
この時期は「お彼岸」といって、ご先祖様のお墓参りをする時期。
また、小豆の収穫時期とも重なります。
とれたての小豆でおはぎを作りお供えした後に食べていました。
「おはぎ」の名前は、秋の花である「萩」に由来します。
10月1日、十五夜
十五夜は旧暦9月の満月の夜。
毎年日付は微妙にずれます。
この日はお月見団子を食べます。
12月21日、冬至
冬至は1年で最も日照時間が短い日。
年によって日付は微妙にずれます。
冬至の日にはかぼちゃを食べます。
そして、食べ物ではないですが、柚子湯につかります。
12月24日、クリスマスイブ
クリスマス、本家ではターキー(七面鳥)を食べます。
日本では七面鳥は一般的ではないので、代用としてチキンを食べる習慣が定着しています。
この日だけはケンタッキーが大混雑、予約なしだとまず手に入りません。
そして、クリスマスケーキもクリスマスの定番ですね。
12月31日、大晦日
大晦日には年越しそばを食べます。
地域によっては年越しうどんを食べることも。
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