「なぜあなたの上司は無能なのか？」ピーターの法則

ピーターの法則（Peter’s Law）は、組織内での人間の能力と昇進に関する法則です。
「なぜあなたの上司は無能なのか？」を端的に説明することができます。

この法則は、ローレンス・J・ピーターとレイモンド・ヒラーによって提唱され、1970年に出版された著書「ピーターの法則：階層組織の病」（”The Peter Principle Why Things Always Go Wrong”）に詳しく説明されています。

組織内での昇進は、従業員の能力と成功に基づいて行われることが一般的です。つまり、有能な人は昇進し、無能な人は昇進できません。

ピーターの法則によれば、個々の従業員は組織内での昇進によって、彼らの能力の限界に達するまで昇進し続けます。つまり、従業員がうまく適応し、成功するポジションに昇進する過程で、最終的には彼らの能力を超えた役職に就く可能性があるとされています。

はじめは「有能な平社員」と「無能な平社員」が存在しますが、「有能な平社員」は昇進して「管理職」になるので、最終的には「平社員」の階層には「無能な人間」だけが取り残されます。

平社員としては優秀だったとしても、管理職としては有能とは限りません。

管理職の中にも、はじめは「有能な管理職」と「無能な管理職」が存在します。
しかし、「有能な管理職」はやがて昇進してさらに上の役職へと昇っていきます。
その結果、「管理職」の階層には管理職として結果を残せなかった「無能な人間」だけが取り残されます。

自分の能力に見合った階層で活躍すると昇進していき、最終的には自分の能力に見合わない役職を与えられたところで活躍できなくなり、昇進が止まります。

そうすると、組織内のあらゆる階層を無能な人が占めることになり、やがて組織の生産力低下につながります。

大企業ほどこの状態に陥りがちです